ゼレンシキー宇大統領、メキシコ議会に向け演説 和平イニシアティブへの参加呼びかけ
ゼレンシキー大統領が演説時の動画をフェイスブック・アカウントに公開した。
ゼレンシキー氏は、ウクライナの人々がロシアの侵略から受けた被害を紹介した上で、「ロシアはあたかも平和を欲しているかのように述べている。しかし、ロシアの殺人者は私たちの大地にまだ残っており、毎日私たちの人々の命を奪っているのだ…」と強調した。
同氏は、「この戦争の間、ウクライナを訪れておらず、ロシアの侵略がここに何をもたらしたか目にしておらず、命を守ることがどうして重要なのかを見ていないのに、何らかのポピュリズムのために、あたかもウクライナが平和に向かいたがっていないかのように話す首脳が複数いる…。彼らは、あなた方の首脳をその状況の破滅的見解へと加わらせようとしている」と指摘した。
その上で同氏は、自身は「5か月以上にわたり、私はウクライナの『平和の公式』を紹介してきた。インドネシアのG20首脳会談の際に紹介した。『公式』は、私たちが命を守り、外交的解決を目指して戦ってきた際の経験の提示だ。ロシアは何をもってこの『平和の公式』に応じているだろうか? 砲撃、襲撃、殺害をもってである」と発言した。
また同氏は、ウクライナの「平和の公式」は、何よりも世界の同公式の項目実現に加わることで、勝利と平和の共同創設者になることのできる人たち皆に呼びかけられているものだと指摘した。
同氏は、「ロシアが自らの弱体化や戦場での自らの敗北の接近を感じている今、ロシアはまたしても世界を自らの偽善で騙しては時間を稼ごうとしている。戦力を再編し、新しい武器を見つけ、侵略を継続するためだ。それは看過してはならない」と発言した。
さらに同氏は、「だからこそ悪は敗北せねばならない。だからこそ、私たちは世界に支持を呼びかけている。だからこそ、私たちは、全ての誠実な国家にウクライナの『平和の公式』実現に向けた世界の努力に加わるように呼びかけている。そして、あなた方には、平和の公式の中で、メキシコがリーダーシップを発揮できる項目を選んでもらいたい」と呼びかけた。
その他同氏は、ウクライナはラテンアメリカコミュニティに対して、特別首脳会談を開き、領土一体性、平和、民族間の尊重、国家主権という世界の重要原則を一致して防衛するよう表明するよう提案してきたことを喚起した。そして同氏は、「私は、メキシコの支援で、それ(首脳会談)がより早く実現できるようになると信じている」と発言した。
同氏は、「正義を望むことは、果たして望み過ぎだろうか? それは、命を守るのと同じぐらい自然なことだ」とし、「この世界で、国際法以上に平等になれる者などいない。私は、ウクライナとメキシコがその点で完全に連帯していると確信している」と強調した。同氏は、「私は、心からあなた方に平和を祈念する! 私たちの民と世界の安全のために一緒に働くよう招待する!」と呼びかけた。
なお、ゼレンシキー大統領が中南米の国の国会に向けて演説を行ったのは、ロシアの全面侵略開始以降2か国目。ゼレンシキー氏は、4月4日にチリ議会に対して演説を行っている。
ゼレンシキー氏のメキシコ議会への演説の全文は、大統領府ウェブサイトで公開されている。
写真:大統領府