ウクライナはこの戦争に勝つことができるが、彼らには対抗の力を与えねばならない=欧州委員長
フォンデアライエン欧州委員長がダボスで開催されている世界経済フォーラムの参加者へのスピーチの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「ロシアは戦略的目的で失敗している。それは、何よりまず、軍事的失敗だ。忘れてはいけない。ロシアがウクライナに侵攻した時、多くの人はキーウが数日間で陥落することを恐れていたし、残りの人は数週間だろうと思っていた。しかし、それは起きなかった。反対に、ロシアは、自らの軍事能力の約半分を失った。ウクライナは奪われた領土の半分からロシアを追い出した。ウクライナは、ロシアの黒海艦隊を追いやり、世界へ穀物を運ぶための海路を再び開通させた。そして、ウクライナは自らの自由と独立を防衛したのだ」と強調した。
また同氏は、ロシアは経済分野でも失敗しているとし、欧州と国際社会の制裁により、ロシアは最新の技術とイノベーションから分断されており、ロシアは中国に依存していると指摘した。
同氏はさらに、ロシアは外交的な失敗も喫したとし、フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、スウェーデンもまもなく加盟すると述べ、さらにウクライナもEU加盟という目的にかつてないほど近付いていると指摘した。
その上で同氏は、「これら全てが語っているのは、ウクライナはこの戦争に勝てるということだ。しかし、私たちは、彼らに対抗の力を与えなければならない。ウクライナ国民には、2024年と今後数年のために想定されている資金が必要だ。彼らには、ウクライナを守り、合法的な自国領を取り戻すために、安定した武器供与が必要だ。彼らには、ロシアの将来の攻撃を抑止するための能力が必要だ。そして、彼らはまた、希望も必要としている。彼らは、自分の子供たちのための『より良い未来』を勝ち取っているいうことを知らないといけない。その『ウクライナのより良い未来』は『欧州』という名を持つのだ」と強調した。
また同氏は、先月欧州理事会がウクライナとのEU加盟交渉を開始する決定を下したことを喚起し、「それはウクライナの歴史的な達成だ。そして、それは歴史の問いに対する欧州の答えとなるものだ」と補足した。
写真:ダボス会議