ロシアの対ウクライナ戦争は欧州にとって最大の脅威=ボレルEU上級代表
ボレルEU上級代表がブリュッセルでの特別欧州理事会の開会前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「今日首脳たちは、ウクライナ問題に集中する。私は、ロシアの対ウクライナ戦争は欧州の安全保障にとって最大の脅威だと強調したい。ロシアが、ウクライナを破壊し、ばらばらに分割しようとして、この正当化できない対ウクライナ戦争を始めてすでに2年が経ち、ロシアはそれを今も続けている。私たちは、ウクライナ支援のためにより多くのことができるし、しなければならない。繰り返す。それは欧州の安全保障にとって最大の脅威だ。もし私たちがそれを行わなければ、私たちはより高い代償を払うことになる」と強調した。
同氏はまた、ウクライナにおける戦況を欧州首脳に伝え、欧州平和ファシリティ(EPF)の枠内で個別の支援基金を創設することでウクライナへの軍事支援を増加することを提案するつもりだと述べた。
さらに同氏は、「もう時間は残っていないのであり、私は彼らにできるだけ迅速に合意に達するよう呼びかける。私たちは、次の1か月で私たちの対ウクライナ軍事支援を拡大せねばならない。私たちは、弾薬供給の拡大を行ったが、まだ不十分だ。もっと多くのことが行われねばならない。私たちは、緊急性を認識した上でそうするべきだ。私は、この戦争を終わらせるため、ウクライナを必要な限り今後も支援するため、マンデートを得られることを期待している。しかし、それは緊急に行わねばならない」と発言した。
記者から、ハンガリーの立場を考えた上で、対ウクライナ支援を巡るコンセンサスをどのように達成することができるのかと質問されると、ボレル氏は、ハンガリーはこの財政支援計画を支持していないが、反対もしていないと発言した。
同氏は、「1加盟国、例えばハンガリーが、参加したくないと言いつつ、反対もしない可能性がある。つまり、参加しないというのと、反対するというのは別のことなのだ。その際、その決定には誰も反対していない…。ハンガリーは反対していない」と発言した。
なお、2月1日、EUの特別欧州理事会が開催され、その際、2024〜2027年に総額500億ユーロをウクライナに拠出する決定の採択が見込まれている。
これに先立ち、1月31日、ボレルEU上級代表は、昨年の3月からEUはウクライナに33万の榴弾砲砲弾を備蓄から供与しており、すでに締結済み契約や産業界への共同発注により、まもなくさらに約20万弾を引き渡せることが見込まれていると発言していた。