カナダで開催された被拘束者・連れ去られウクライナ児童帰還を目指す会議で成果文書採択
ウクライナ大統領府広報室が公表した。
同コミュニケの重要な力点は、全ての被拘束・連れ去られウクライナ人の帰還を促進することを目的とした「モントリオール・コミットメント」だと書かれている。
大統領府は、「コミュニケは、会議参加者が今後従っていく共通の原則を概説し、ウクライナの勝利への揺るぎない支持を再確認し、ロシアの侵略遂行を支援するあらゆる国を非難するもの」だと説明している。
大統領府が公開した「人的次元共同コミュニケ」の全文へは、このリンクからアクセスできる。
また、会議参加者は、人道問題を解決し、ジュネーブ条約の遵守を確保するために、パートナー国と国際帰還とのウクライナの協力を強化することで同意したという。
最も重要な項目の1つは、ウクライナの軍人、民間人、児童の帰還に関してロシアと協議するための信頼できる仲介国の模索だとある。また、仲介国の支援とともに、ロシアにいるウクライナ人が領事支援を受けられるようにするメカニズムを作り出すことが提案されたという。
シビハ宇外相は、ウクライナは多くのウクライナ人家族が期待していた具体的な結果を今回の会議から受け取ったと発言した。総括記者会見時にシビハ氏は、「私たちには、関連のコミットメントがある。私たちは、ネットワークを作り出した。それは、児童帰還問題で私たちを具体的に支援していくと約束した具体的な国々だ」と発言した。
また同氏は、国際社会が捕虜となっているウクライナ人の居場所を明らかにするための支援を行う準備があることが極めて重要だと発言した。
カナダのジョリー外相は、カタール、バチカン、南アフリカ、リトアニア、アラブ首長国連邦が、ウクライナの追放された児童と被拘束者の帰還に向けて具体的なコミットメントを負ったと強調した。
さらに、拘束されたウクライナ人、とりわけ児童に関する情報の模索のためにウクライナと協力していく国のグループが形成され、そのグループが情報の収集と検証を支援するという。
会議参加者はまた、帰還者の社会への再統合においてもウクライナへの支援を確保することを約束したという。さらに、戦略的コミュニケーション・キャンペーンを通じて、ウクライナの民間人・捕虜に対するロシアの違法な拘束や虐待、児童の追放や強制移送についての情報も拡散されていくという。
ノルウェーのアイデ外相は、国際人道機関代表者がウクライナ人捕虜のもとにアクセスできること、それら機関が追放された児童の帰還プロセスに加わることが重要だと強調した。
アイデ氏はその際、「私たちは、その作業における覚悟を示さねばならない。それは、10項目の『平和の公式』の実現における大きな貢献となる」と伝えた。
その他大統領府は、今回の行事でウクライナは数十のパートナー国と一緒に、「平和の公式」の個別項目を基本としたテーマ別会議の実施を終了すると伝えた。8月から11月にかけて、これまで類似の会議が計9回開催されたとし、個々の会議の後には共同コミュニケが採択されてきたという。これらの作業を基本に、第2回「平和サミット」への提案を形成する作業が始まることになると書かれている。
なお、10月30、31日、カナダのモントリオールで、「平和の公式」閣僚級人的次元会議(Ministerial Conference on the Human Dimension of Ukraine's 10-Point Peace Formula)が開催されていた。同会議では、被拘束者やロシアに連れ去られたウクライナ人の解放実現などにつき協議が行われていた。参加したのは、約70の国・国際帰還の代表者で、「平和の公式」関連項目作業部会のの共同議長国であるカナダとノルウェーが同会議を組織したという。
写真:大統領府