EUは2025年上半期にウクライナとの加盟交渉のクラスターを2つ開く=コスタ欧州理事会議長
キーウを訪問したコスタ欧州理事会議長がゼレンシキー宇大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
コスタ氏は、EUは戦時下におけるウクライナが欧州コミュニティに加わるために必要な最重要改革の大半を実現することができたことに大きな感銘を受けていると発言した。
そして同氏は、「(編集注:EU加盟)候補国が戦時下で加盟準備を行うというのはEU史上初めてだ。(中略)それは、共同作業である。新に任命されたマルタ・コス拡大担当委員と、私たち皆が、ウクライナの準備と受け入れに関するその決定の達成を支援すべく、ウクライナのチームと非常にたくさん働いている。だからこそ、私は、次の半年、私たちは2つの新しいクラスターを開くと言うことができる」と発言した。
また同氏は、交渉プロセスの際にはウクライナのEUへの漸進的加盟に向けて行うことのできる措置があると指摘し、一定のカテゴリーの商品がEUの単一市場に入ることができると発言し、ウクライナはすでに欧州コミュニティの一員なのだと補足した。
同時に同氏は、それは商業であり、地政学的決定であるため、EUはそのプロセスを管理することはできないとしつつ、同時にEUでは人々がその問題の緊急性を理解しているとも発言した。
その際同氏は、「私たちは、ウクライナが全ての必要な基準を満たすのを支援するという政治的な願望を持っており、ウクライナが迅速に結果を出すことができると確信している」と発言した。
これに対してゼレンシキー大統領は、同記者会見時、EUとの2つのクラスターを来年はじめに開くことは完全に現実的だと発言した。
ゼレンシキー氏は、「来年、私たちは、EUとの協議を進めるべく、最大限のことを行わねばならない。来年はじめにはもう2つの交渉クラスターを開くこと、その他のクラスターを(2025年)年内に開くというのは完全に現実的だ。私たちはそれを非常に望んでおり、また交渉プロセスと並行して、EUの内部市場へのウクライナの漸進的統合を確保することも完全に現実的だ」と発言した、
また同氏は、ウクライナの欧州・欧州大西洋統合抜きにして、公正な平和は不可能だとも発言した。その際同氏は、「私たち皆が、地政学的な決断なくして、真の安全保障が不可能だということを覚えておかねばならない。だからこそ、私たちは、ウクライナのEU加盟交渉とウクライナによるNATOへの招待状取得に関する私たちの作業を支持してくれている全ての国、全てのリーダーに感謝している。それは原則的なことだ。ウクライナのための地政学的決断が最大の反戦の一歩となり得るのだ」と発言した。
なお、1日、EUのコスタ新欧州理事会議長、カラス新外務・安全保障政策担当上級代表、コス新欧州委員会拡大担当委員が、事前発表なくキーウを訪問し、ゼレンシキー大統領と会談していた。