
今は欧州が自らの力を発揮せねばならない存亡の時=ベーアボック独外相
ベーアボック外相がミュンヘン安全保障会議のパネルディスカッションの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ベーアボック氏は、「今は欧州が自らの力を発揮せねばならない存亡の時である。3年前、多くの人が欧州を過小評価した。それはとりわけロシア大統領もであり、彼はウクライナへ容易に侵攻することができ、皆黙っているだろうと考えていた。しかし、私たちは2014年の過ちを繰り返さなかった。私たちは明確に『欧州は強く、勇敢でなければならない』と答えたのだ。どんな見解相違があろうとも、私たちは一つだ」と発言した。
また同氏は、ロシアの対ウクライナ全面侵攻開始から3年が経って、欧州の人々は再び同じ挑戦に向き合っていると述べた上で、「『まず自分の国のこと』というスローガンに対する私たちの返答は、『欧州は1つ』である。それが私たちがここ、パネルディスカッションの際に示していることである。それが、過去数日私たちが証明してきたことである。その平和が『欧州のもの』にならなければ、欧州に平和は生じない」と強調した。
さらに同氏は、平和は暫定的な譲歩であってはならず、真の強固な平和でなければならないと発言した。同氏はその際、「私たちは必要な限りウクライナを支持していく。なぜなら、私たちは、欧州の平和を永遠に支持しているからだ」と指摘した。
その他同氏は、ウクライナに関する和平交渉における欧州の役割について、「それが欧州の合意を得た平和でなければ、それは永続的な平和にはならない」と述べた。また同氏は、「確かに、私たちはここで昨日演説を聞いたが、私は全くもって明確に述べたい。これは存亡の時である。世界の1人1人が、自分がどの側にいるのかをはっきりさせねばならない。自由世界の側なのか、それに反して戦う側なのかだ。私たちは自由世界の側に立っている」と強調した。
同氏はまた、「私たちの現在の最大の敵についてだが、私はここにて、当然、昨日の演説に同意しない(編集注:ヴァンス米副大統領の演説のこと)。それ(編集注:最大の敵)は、欧州の平和と欧州の民主主義に宣戦布告したプーチンのロシアだ」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナにおける平和への最も簡単な道筋は、「それはプーチンが、大きな過ちを犯し、それが自国にて何千人もの死をもたらしたことを認識した上で、自国軍を撤退させることだ」としつつ、しかし、その選択肢は現在あり得ず、それ以外を検討せざるを得ないと指摘した。
同時に同氏は、「しかし、最も重要なことは、現時点で交渉のテーブルから何らかの要素を取り除かないこと、それらはもう検討されていないなどと言わないことである。なぜなら、それをしてしまえば、私たちの可能性は非常に限定されてしまうからだ。また、ウクライナにとってだけでなく、モルドバ、バルト諸国、欧州全体にとっての平和とは何を意味するのかも考えるべきである」と発言した。
なお、2月14日から16日にかけて、ドイツ・ミュンヘンにて、ミュンヘン安全保障会議が開催されている。