
ミュンヘン会議はウクライナにおける平和への道筋を明らかにしなかった=独専門家
ウクルインフォルム
ミュンヘン安全保障会議の前議長であり、現在同会議の基金理事長を務めるヴォルフガング・イッシンガー氏は16日、今回のミュンヘン安全保障会議には多くの人が期待していたが、それは実現しなかったと若干の落胆を示しつつ、同時に過度に悲観的な結論を出すことも控えるよう呼びかけた。
イッシンガー氏が今年の同会議の総括につきウクルインフォルムにコメントした。
イッシンガー氏は、「残念ながら、私たちの多くが今年のミュンヘンへ来た時に抱いていた期待は、実現しなかった。私たちは、この会議がこの戦争に終止符をどのように打つのか、具体的な交渉への道筋についての議論への道のりを明らかにすると期待していた」と発言した。
同氏は、今回の会議の印象として、「そのプロセスをどのように始め、続け、終わらせるかについて非常に多くの質問があるが、答えはない」と指摘した。
とりわけ同氏は、現在、和平実現プロセスにおいて欧州がどのような役割を担うことができるのかが明らかではなく、またウクライナの声をどのように「(編集注:交渉に)加えるか」もはっきりしていないと発言した。
同時に同氏は、わかっていることは1つ、「この会議の後、議論と協議が始まることだ。それが成功に到達するか? それは時間が示すだろう」と発言した。
さらに同氏は、「過去3、4日間で生じたことで若干落胆している」とし、なぜなら、ロシアとどのように交渉するかというアプローチの観点からは、それがあまり技巧的に行われたとは言えないからだと指摘した。
その際同氏は、これまでに現実で行われたことは、トランプ氏とプーチン氏、そしてトランプ氏とゼレンシキー氏の2つの電話会談だけだと述べ、「たった2つの電話である。それ以上ではない。それ以外のことはまだ協議と採択が必要だ」と指摘した。その上で同氏は、現時点では過度に悲観的な結論を出さないよう呼びかけ、なぜなら正しい方向に持っていくことのできる選択肢はまだたくさんあるからだと説明した。