
トランプ米大統領、ウクライナでの選挙実施を主張
トランプ大統領がマール・ア・ラーゴにて記者からの質問に答える形で発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
記者から、ウクライナで選挙が行われてはじめて和平合意に署名するとするロシアの要求にコメントを求められると、トランプ氏は、「私たちには、戒厳令下、実質的に戒厳令下のウクライナで選挙が行われていないという状況がある」と発言した。
その際同氏は、ゼレンシキー宇大統領の支持率は4%に下落し(編集注:実際には世論調査でゼレンシキー氏を「信頼する」との回答は過去約3年間50%を下ったことは一度もない)、ウクライナは「粉々になっている」とする独自の見解を示した。また同氏は、キーウ以外のほとんどの町が破壊されているとも発言した。
そして同氏は、「ウクライナの人々は、選挙がないままずいぶん時間が経ったと言うべきではないのだろうか」と述べた。
さらに同氏は、この問題はロシアが選挙について何を言っているかではなく、これはトランプ氏自身の立場であり、「多くの他の国の」立場でもあると主張した。
加えて同氏は、3年前のロシアの全面侵攻にはウクライナにも責任があるとの独自の見解を披露し、ウクライナはその時取引をして、紛争を回避できたはずだと述べた上で、「あなた方はこんなことを始めるべきではなかった」とも発言した。
その他同氏は、和平合意が締結された場合には、欧州の平和維持軍がウクライナに派遣されることには反対しないと発言した。その際同氏は、「彼らがそれを望んでいるなら、素晴らしいことだ。私は完全に支持している」と述べた。同時に同氏は、米国軍をウクライナに派遣することはないと強調した。
同氏はまた、ゼレンシキー氏が以前、米国が拠出した資金の全てがウクライナに入っているわけではないと発言したことを想起した。その際同氏は、「思うに、私たちは彼らに3500億ドル与えた」とし、それは多いし、欧州は1000億ドルしか与えていないと主張し、欧州は米国に匹敵するだけ支援すべきだと訴えた。
さらに同氏は、「私たちの間には大洋があるが、彼ら(編集注:欧州とウクライナ)にはない。しかし、与えた金はどこにあるのだ? それらはどこへ向かっているのだ? それに関する報告を私は一度も見ていない。私たちは、数千億ドルを与えている。私は報告を一つも見ていない」と発言した。
加えて同氏は、これ以上人が死なないようにウクライナにいて平和を実現したいと強調した。同氏はその際、「私は殺されている人を見ている。それはロシア人もウクライナ人もだが、この星でどこから来たのかは関係なく、彼らは人なのだ。」私は、この戦争を終わらせる可能性があると思っている」と発言した。
そして同氏は、「私は、ウクライナのために、彼らにほぼ全ての大地を与え、誰も死なない、どの街も破壊されない、どの塔も崩されない、そのような合意を締結できたであろう。しかし、彼らは、そのような手段でそれを行わないことを決めたのだ」と強調した。
この発言からは、トランプ氏が意味していることははっきりしないが、同氏はこれに続いて、バイデン前大統領が本件につき「ひどく、情けなく、悲しい」対応を行ったと主張した。
その後再びウクライナにおける選挙について、ロシアがキーウに傀儡政権を樹立するのを支援しないように、どのようなことができるかと質問されると、トランプ氏は、個人的にゼレンシキー宇大統領のことは気に入っているが、しかし、より重要なことは個人的な態度ではなく、仕事が実行されることだと発言した。
同文脈で同氏は、バイデン前政権のことを想起し、バイデン氏は無能であり、ウクライナにおける戦争は自身が大統領だったら生じなかっただろうと繰り返した。
そして同氏は、「私は、数百万人の人の命を救えるかどうか見てみたい。それはもしかしたら第三次世界大戦にすらなるかもしれないのだ」と発言した。
また同氏は、現状を「非常に悲しい」と形容した。
写真:ゲッティ