
「NATO加盟願望が侵攻の原因」はロシアのナラティブ=カラスEU上級代表がトランプ氏の発言を否定
ウクルインフォルム
欧州連合(EU)のカラス外務・安全保障政策担当上級代表は27日、北大西洋条約機構(NATO)はウクライナにとって最善の安全の保証を提案するものであるとし、トランプ米大統領はウクライナのNATO加盟の扉を防ぐことでロシアのナラティブに屈してしまっていると指摘した。
フランス24がカラス外務・安全保障政策担当上級代表の発言を報じた。
ワシントンを訪問したカラス氏は、「どうして私たちはNATOの中にいるのか? なぜなら、私たちはロシアを恐れているからだ。そして、本当に機能する唯一のもの、機能する唯一の安全の保証がNATOの傘なのだ」と発言した。また同氏は、NATO加盟国はロシアに侵攻したことはなく、ロシアは「民主主義を恐れている」と指摘した。
トランプ氏がこれに先立って、ウクライナはNATO加盟を忘れることができると述べ、なぜならそ同国のNATO加盟願望こそが「全てが始まった理由かもしれない」と発言していた。
その発言につき、カラス氏は、「その責めは、完全に誤っている。それは、私たちが信じるべきでないロシアのナラティブだ」と断じた。
また同氏は、プーチンとの交渉は、オサマ・ビンラディンとの交渉に匹敵するとし、「米国が9月11日後にオサマ・ビンラディンと席に着いて、『オーケー、他に何が欲しい?』と言うのを想像してみて欲しい。想像不可能だ」と説明した。
同氏は、襲撃者に対して、これまで奪った物に加えてさらに何かを提案してはいけないと指摘した。そして同氏は、「ロシアがすでに行ったことに加えて、どうして私たちが彼らが欲しがっている物を与えねばならないのか。彼らはウクライナを襲い、領土を併合し、占領した中で、彼らは今、彼らにさらに追加で何かを彼らに与えると提案しているのだ」と発言した。
加えて同氏は、欧州はウクライナのための安全の保証に関して交渉の席に着かなければならないし、そうでなければ欧州は何も貢献できないと指摘した。