
欧州理事会、ウクライナに関する特別会合の総括文書を26か国が支持
欧州理事会ウェブサイトに同会合の総括情報が掲載された。
発表には、「欧州理事会はウクライナのヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領と意見交換を行った。欧州理事会はウクライナに関する最新の情勢について協議した。文書「EUCO 10/25」に記載された文章は、26か国の首脳により強固に支持された。欧州理事会は次回の会合でこの問題を再協議する」と書かれている。
言及された文書「EUCO 10/25」にて、EUの首脳たちは、ロシアの全面侵略戦争の当初から、EUが自衛権を行使するウクライナの側に立ってきたことを喚起している。また、首脳たちは、欧州理事会は国際的に承認された国境内におけるウクライナの独立、主権、領土一体性を引き続き揺るぎなく支持していることを再確認した。
さらに文書には、ロシアのウクライナに対する侵略戦争は、欧州および国際安全保障に広く影響を及ぼすものだと書かれている。そして、EUとその加盟国はその戦争の開始以来、パートナー国とともに、国連憲章と国際法の原則に基づく包括的で公正かつ永続的な平和を通じて、戦争を終結させる必要性を強調してきたことが喚起されている。その上で、欧州理事会はそのような和平の実現に向けたあらゆる努力を歓迎した。
首脳たちは、「そのような包括的で公正かつ永続的な平和に繋がるべき交渉の新たな機運に鑑み、欧州理事会は以下の原則の重要性を強調する」として、以下のとおり伝えている。
a:ウクライナ抜きのウクライナに関する交渉はあり得ない。
b:欧州の安全保障に影響を及ぼす交渉は、欧州の関与なしにはあり得ない。ウクライナ、欧州、大西洋間、そして世界の安全保障は相互に絡み合っている。
c:どのような停戦も、包括的な和平合意に至るプロセスの一環としてのみ行われる。
d:そのような合意はどのようなものであれ、ロシアの将来の侵略の抑止に貢献する、ウクライナのための強固で信頼できる安全の保証を伴う必要がある。
e:和平は、ウクライナの独立、主権、領土一体性を尊重するものでなければならない。
首脳たちは、「力による平和」原則を達成するためには、ウクライナが可能な限り強固な立場に立つことが必要であるとし、そのためにはウクライナ自身の強固な軍事力と防衛力が不可欠であると主張し、「それは戦争終結の交渉の前も、交渉中も、交渉後も同様である」と説明している。そして首脳たちは、そのためEUは引き続き、志を同じくするパートナーや同盟国と連携し、ウクライナとその国民に対する政治的、財政的、経済的、人道的、軍事的、外交的支援を提供していくと伝えた。
同時に首脳たちは、さらなる制裁措置や既存の措置の執行確保などを通じて、ロシアに対する圧力を強化し、ロシアが侵略戦争を継続する力を弱めていくと表明している。
これに先立ち、ゼレンシキー宇大統領は6日、欧州理事会の特別会合に出席し、平和のために必要な最初の行動を提示した上で、それを支持するよう呼びかけていた。