
ポーランド外務報道官、シコルスキ外相とルビオ米国務長官とマスクの言い争いの肯定的な点を指摘
ヴロンスキ報道官がウクルインフォルムの特派員にコメントした。
ヴロンスキ氏は、「ウクライナの観点で最も重要な点は、ルビオ国務長官による、誰もウクライナのためのスターリンクの端末を遮断するつもりはないという非常に強固な主張である。それは後からイーロン・マスクも認めた。よって、あたかも『もうすぐ遮断するぞ』とか『遮断していたら、違う結果になっていただろう』というような、ウクライナへの圧力、影響力行使の形態はもうないだろう。そういうものは、隠された脅しとして受け止められるもので、シコルスキ外相は正にそのように受け止めたのだ」と指摘した。
また同氏は、ルビオ米国務長官が、自らの投稿にて、ロシアの目的は最初からウクライナ全土の占領であったし、これは何らかの偶然生じた戦争ではないと認めたことを喚起し、そのためシコルスキ・ポーランド外相は、ロシアがウクライナに侵攻したのであり、ウクライナが占領される場合、それは米国にとっても敗北となるという点でルビオ氏と一致したと指摘した。
そして同氏は、「私たちは公正な平和のために一緒に行動しなければならない。それがそのやり取りの2つ目の肯定的な点だ」と説明した。
同氏は加えて、3つ目の肯定的な点は、「スターリンク」の事例で、米国社会が、米国だけがウクライナを財政的に支援しているわけではないこと、スペースX社が「慈善団体ではない」ことを知ったことだと指摘した。
その際同氏は、「その会社はウクライナにおける戦争で稼いでいる。なぜなら、その端末の利用代金はポーランド政府がポーランドの納税者の税金で支払っているからだ」と発言した。
記者が、米国政権関係者からのきつい話し方でのやり取りについてポーランド社会はどのように反応したかとの質問に対しては、ヴロンスキ氏は、本件においてシコルスキ・ポーランド外相にとってパートナーなのはルビオ米国務長官だけだと指摘し、マスク氏はポーランドが支払いを行っているインターネットサービスの提供者であるとし、「そのインターネットサービスの提供者がフレンドリーかどうか、丁寧なのか、粗雑なのかということだけが議論可能だ」と指摘した。
これに先立ち、シコルスキ・ポーランド外相はXにて、ウクライナで利用されているスペースX社の衛星インターネットサービス「スターリンク」の端末と利用料金は(一部)ポーランドが支払っていると投稿していた。その際シコルスキ氏は、スペースX社が信頼できるサービス提供者でなければ、ポーランドは代替サービスを探すことになると指摘していた。これに対して、米国のルビオ国務長官とスペースX社のマスク氏がシコルスキ氏に対して攻撃的で侮辱的な内容を含む返信をしながらも、誰もウクライナをスターリンクから切り離すつもりはないと断言していた。
なお、ポーランド政府は、ウクライナのために約2万5000台のスターリンクの端末を購入している。1台の端末での一般利用者向けサービス使用料金は1か月あたり約5500フリヴニャ、特別利用者向けでは約1万4000フリヴニャ。