
被占領地問題は露宇戦争において重要=ウィトコフ米特使
ウィトコフ氏が米国のブロガーであるタッカー・カールソンとのインタビュー時に発言した。
ウィトコフ氏は、クリミアや「いわゆる4つの地域、ドンバスと…、ルハンシクとあと2つ」のことだと発言(編集注:正しくは、ドネツィク州、ルハンシク州、ザポリッジャ州、ヘルソン州)。同氏はその際、「ロシア語話者地域」で「住民投票が行われて」「多数がロシア政権下に入ることを望んでいることを示した」とロシア発の占領を正当化するナラティブを繰り返した上で、「私は、それが紛争の鍵となる問題だと思う」などと発言した。
同氏はまた、本件は常に「問題であるが、しかし、誰もそれについて話したがらない」と主張した。
さらに同氏は、「それは部屋の中のゾウだ。ゾウが部屋の中におり、それはウクライナにおいては。領土の断念の話になったときに、彼らは何によって譲歩できるかという憲法問題でもある。ロシア人は実質的にそれらの領土を支配している。問題は、世界がそれをロシア領と認めるか否か、認めた場合、ゼレンシキーが政治的に生き残れるか否かだ。それも、紛争の中心的問題だ」との見方を披露した。
その他同氏は、北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナの加盟問題について、ウクライナは「ロシアと米国の立場によって」今のところNATOには加盟できないと発言した。同時に同氏は、NATO第5条に基づく安全保障をウクライナに提供する問題はオープンだとも指摘した。
同氏はその際、「NATOに関しては、私は、ゼレンシキーと彼の右腕であるイェルマーク氏は、かなりの程度、彼らがNATOに加盟するつもりがないことを認めたと思う」との見方を示した。
加えて同氏は、ウクライナがそのような保護を得られるかどうかについては様々な会話が行われてきたと発言した。同氏は、「ウクライナがNATOの全加盟国が有す第5条に従ったいわゆる保護を得られるかどうかについては多くのやりとりが行われてきた。ウクライナがNATOに完全に加盟することがなくても、米国なり欧州の国々なりから、そのような何らかの保護の形態を得ることができるか否かだ。そして、私は、それは議題だと思っている」と発言した。
そして同氏は、「もしウクライナとロシアの間に和平合意が生じるべきなら、ウクライナはNATOに加盟すべきでない」と主張した。
カールソン氏から、ウクライナでの選挙は期待できるかと質問されると、ウィトコフ氏は、「ええ、あなたは正しい。(編集注:選挙は)生じる。ええ、彼らはそれについて同意した。ウクライナでは選挙が生じる」と発言した。
ウィトコフ氏は、自身の考えではゼレンシキー大統領は複雑な状況に陥っているとし、「ゼレンシキー氏は最善を尽くそうとしている。彼は、とても複雑な状況下にあるのだが、彼は核保有国と対峙しており、自分のところより人口が4倍多い国と対峙している。今、彼にとって、合意を結ぶ最善の時だ。トランプ大統領は、彼に可能な最善の合意を与えることができる」と主張した。
なお、ウクライナのゼレンシキー大統領は、これまで繰り返し、ウクライナがロシアに現在占領されている領土をロシア領と認めることは決してないと発言している。
マテルノヴァ駐ウクライナ欧州連合(EU)大使は18日、EUはロシアによるウクライナ領の違法併合・占領を決して認めないと発言していた。
写真:ブルームバーグ