国際女性デーにウクライナ複数都市で女性権利向上を訴える行進開催
キーウの行進主催者は、行進開催に向け、新型コロナウイルスの世界的拡散期において、家庭内暴力が急増しているが、現行法では暴力をふるった人物の罪は明確に定められていないと指摘した。また、女性従事者の多い社会公共、教育、医療分野にて、コロナ危機の否定的影響が大きいことも説明された。また、防疫方策により遠隔勤務を強いられている人々の中で女性の負担が特に大きいことも強調された。
コロナ拡散期の家庭内暴力件数急増に関しては、行進参加者たちは、最高会議(国会)に対して、通称「イスタンブル条約」こと、「女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約」の批准を要求した。ウクライナは、2011年に同条約に署名しているが、現在まで批准していない。
キーウの「女性の行進」 写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム
行進参加者たちは、「暴力反対」「性的嫌がらせ反対」などとシュプレヒコールをあげた。また、参加者は各々の手にスローガンの書かれた紙を掲げた。スローガンの中には、「フェミニズムとは、全ての女性が人間であるという、ラディカルな考えだ」「3月8日は花の日ではない」「女性であることを誇る」「私に平等をプレゼントして」「花を花壇へ、権利を女性へ」「女性は何でもできる!」「女性を決定採択の場へ」「どんなマスクなら家庭内暴力から身を守れるのだ?」などと書かれていた。
同様の行進は、ハルキウとザポリッジャでも開催された。
ハルキウでは、約800名が行進に参加。「自由な女性、自由な国」「平等な仕事と平等な給与を!」「私は花ではない」「私は子猫ではない」「私の体は、私の行動だ」などと訴えた。
ハルキウの「女性の行進」 写真:ヴヤチェスラウ・マジイェウシキー/ウクルインフォルム
ザポリッジャでは、約100名が行進に参加し、家庭内暴力被害者のためのシェルターを市内に設置することなどを要求した。参加者たちは、「私たちが多くを要求しているのではない。私たちは多くを禁止されているのだ」「平等な機会を求める」などと主張した他、イスタンブル条約の批准に向けた協力を地方議会に対して提案した。
ザポリッジャの「女性の行進」 写真:ドミトロー・スモリイェンコ/ウクルインフォルム