ウクライナ、コロナワクチン接種者への1000フリヴニャ提供で書籍の売り上げ急増
出版社や書店の関係者がウクルインフォルムにコメントした。
古ライオン社の宣伝・マーケティング部長のオクサーナ・ジョブロ氏は、同プログラムが開始してから、書籍の販売が目立って伸びたとし、「初日には、古ライオン社の売り上げは、オンライン店舗のものも、書籍のものも、倍増した。その時から、傾向は維持されており、さらに一定の伸びが見られ、2〜2.5倍となっている。もちろん、(1000フリヴニャの)支払いが聖ミコライの日(編集注:12月19日)、クリスマス、新年と重なったことは素晴らしい一致である。しかし、昨年と今年の数字を比較してみると、1000フリヴニャプログラムの影響は実感できるものとなっている。その伸びは、正にそのプログラムのおかげだ」と指摘した。ジョブロ氏は、まだ1000フリヴニャ提供は続いており、2022年にもこの好ましい傾向が続くだろうと指摘した。
ラーノク社のヴィクトル・クルフロウ総裁は、12月の児童用書籍の販売数は少なくとも2倍に増えたと指摘し、「いくつかのデータによれば、『イェ・ピットリムカ』のカードの支払いの30%から40%は、書籍(購入)に当てられたという。それは、書店や出版社へのサポートを意味する。私たちのところでは、それは非常に良い結果を出している。ラーノク社は、通常、オンライン店舗で1日500件の注文を受けているが、ミコライの日には、3000件となり、現在は毎日1000件である。在庫がなくなりつつあり、つまり、1、2月は通常なら全てが止まってしまうのだが、(今年は)増刷となるだろう」と伝えた。また、今年は例年の数倍の出版が見込めるとも指摘した。
フォリオ社のオレクサンドル・クラソヴィツィキー総裁は、同社のサイトを通じた販売数は約2倍になり、書店を通じた販売は約3倍となったと伝えた。同氏は、「『イェ・ピットリムカ』プログラムの存在は、書籍市場における出版社への非常に決定的な支援となっている。私は、国は今回得た経験を将来も利用すべきだと確信している」と発言した。同氏はまた、「現在、私たちは、祝日の後の氷山の一角を得ているだけ」だとし、出版社は急いで増刷をしなければいけないと指摘した。
書店「シャイヴォ・クニーヒ」のリリヤ・オルリャツィカ社長は、同プログラムと冬の祝日により、同書店の売り上げは昨年比で20〜30%増加したと指摘した。
また、書店「クニホレンド」のイーホル・ザルドコ総裁は、同社の売り上げはプログラム開始の初日に約3倍となり、特に児童書とノンフィクション書籍が特に売り上げを伸ばしたと指摘した。
なお、ウクライナ政府は、12月19日からコロナワクチン接種者を対象に、用途の限定される1000フリヴニャ相当の電子カードを完成アプリ「ジーヤ」を通じて提供していた。