ロシアによるウクライナ占領地での拷問事例、キーウ州とヘルソン州で最多
30日、人権保護団体「フリーライツ」でマネージャーとして活動するアナスタシヤ・マリンカ氏がメディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムでプレゼンテーションを行った。
マリンカ氏は、「一時的被占領地における拷問事例を合計で432件集めた。その内、128件がヘルソン州、119件がキーウ州、76件がハルキウ州、34件がザポリッジャ州、28件がチェルニヒウ州、15件がスーミ州、12件がミコライウ州、10件がドネツィク州、6件がルハンシク州、4件がクリミア自治共和国だ」と伝えた。
同氏はまた、事例を登録しているデータベースには、被占領地のロシア人による戦争犯罪の分析・解説も掲載されており、惨状の規模がわかるようになっていると指摘した。
マリンカ氏は、拷問事例の収集対象期間は2022年2月24日から2023年8月31日までの全面戦争1年半だと説明した。アーカイブの目的は、被占領地の民間人に対して行われた犯罪の規模に関する情報の記録作成であり、国際裁判所で使用される可能性も考えているという。
また同氏は、事例の収集作業は継続されており、ロシア侵略者による拷問事例の情報を同団体に報告して欲しいと要請した。
人権団体「フリーライツ」は、ロシアの全面侵攻開始翌日の2022年2月25日に活動を開始した、38のNGOと個人の専門家からなる「ウクライナ 朝5時」連合に加わっている。この連合は、ロシアの対ウクライナ武力侵略の際に犯されている戦争犯罪と人道に対する罪を体系的に記録するために協力している。
また、連合は、露宇戦争の犠牲者を国や国際的メカニズムを通じて保護する活動も行っている。活動の目的は、ロシア首脳陣によるウクライナに対する侵略犯罪の責任を追及することで正義を達成することにあるという。