ウクライナ大統領府、ロシアと中立化について協議する用意があると指摘

ウクライナ大統領府のジョウクヴァ大統領府副長官は、ウクライナはロシアの最後通牒は一切履行しないが、自国の中立化について協議する準備があると発言した。

ジョウクヴァ副長官がドイツのテレビ局ARD出演時に発言した

記者から、ウクライナは(ロシアとの)首脳レベルの直接協議が実現した場合、ウクライナの中立地位を受け入れる用意があるかと質問されると、ジョウクヴァ氏は「その問題は、協議対象になり得る」と発言した。ジョウクヴァ氏は、ウクライナは最後通牒は一切受け入れないとし、原則問題では譲歩はしないとしつつ、「しかし、それ以外は議論可能であろう。例えば、ウクライナのあり得る中立地位がどのようなものになり得るか、などだ」と発言した。同氏は、その協議の前提条件となるのは、戦闘行為の停止とロシア軍の撤退だと指摘した。

同氏はまた、国際パートナーたちは、首脳レベルでの会談開催を組織するための支援をすべきだと指摘し、ウクライナは本件について、ショルツ独首相とも話していると指摘した。

同氏は、ウクライナは、今回のような状況が繰り返されることのないように、ロシアを含む隣国から、安全保障を要求していると指摘した。同氏は、「私たちには、状況が繰り返さないように、強固な保証が必要だ。それはウクライナにとってだけのことではない。ドイツの人々にとっても、もしウクライナがロシアを止められなければ、同国はウクライナの国境で止まらず、先に進むということがはっきりしなければならない」と発言した。

さらに同氏は、ウクライナを言葉だけで支援するのではなく、西側からの積極的な行動が必要だとし、ウクライナはドイツから制裁に関してリーダーシップを期待していると発言した。同氏は、エネルギーの禁輸、ロシアの全ての銀行のSWIFTからの排除などが不可欠だと指摘した。同氏は、「それは私たちとあなたたち皆にとって重要だ。あなた方は、EUを率いる国家だ。私たちは、あなたたちに期待している」と発言した。

司会者から、ウクライナは巨大な勢力と立ち向かっており、専門家はキーウ(キエフ)のような大都市の制圧は時間の問題かもしれないと分析していると指摘されると、ジョウクヴァ氏は、そういう専門家は戦争の初めに、キーウは3〜5日で陥落するだろうと予想していたとし、実際にはすでに2週間たっており、大都市は1つも明け渡していないと指摘した。加えて、同氏は、すでに占領者が制圧した町でも、住民たちが抗議を行っていることを喚起した。

これに先立ち、ウクライナのクレーバ外相は、ゼレンシキー大統領は現在ウクライナの安全保障について話すべきだと述べているのであり、目標としての北大西洋条約機構(NATO)加盟を忘れるべきとは話していないと説明していた。同時にクレーバ氏は、ウクライナにとっての真の堅固な保証が必要だとし、それを保証するのは、国連安全保障理事会常任理事国(編集注:米国、英国、フランス、中国、ロシア)とその他複数の国であるべきだとの見方を示していた。