マリウポリの武力での包囲解除は現在不可能=アレストヴィチ宇大統領府長官顧問
ウクライナのアレストヴィチ大統領府長官顧問は18日、現時点でロシア軍による東部マリウポリ市の包囲を解除することは不可能だとし、ウクライナ政権は政治・外交的手段の作業をしていると発言した。
アレストヴィチ氏がフェイスブック・アカウントに動画メッセージを掲載した。
アレストヴィチ氏は、「(編集注:マリウポリに)最も近いウクライナ軍の部隊は、北のヴォルノヴァハにて激しい戦いをしている。彼らには、敵の有利な兵力が攻撃を仕掛けており、いかなるマリウポリの包囲解除についても話すことはできない。彼らはそこで自分を守らなければならない」と発言した。
さらに同氏は、他の部隊は、マリウポリから100〜150キロ離れたところにおり、彼らがマリウポリに接近するために「クリミアとロストフ州からの空爆を受ける丸裸のステップ」を120キロ以上走り抜けることはできないと指摘した。
また同氏は、ロシア侵略軍は強力な防空システムを構築していると指摘し、「クリミアからの航空機と地対空(ミサイルシステム)がある。空からの援護の試みが行われたが、穏やかに言って、成功は得られなかった。つまり、マリウポリに関して軍事的解決策は現在存在しない」と発言した。
同氏はその上で、マリウポリの情勢解決のために残っているのは政治・外交的解決と人道的災害の解決だとし、それを国家のレベルで扱っており、それによってマリウポリ市民の避難のための回廊を開くことができていると述べた。すでに4万人が同市から去ることができたという。
同時に同氏は、「マリウポリは私たちは明け渡さない」と発言した。
なお、ロシア侵略軍は、ウクライナ東部マリウポリを包囲し、人道災害を引き起こしている。ウクライナ軍の抵抗が強力なことから、敵は民間人への爆撃や、人道回廊利用の妨害をしてきた。マリウポリ市議会は、3月14日時点で同市の民間人死者数は2357人に上ると発表している。