マリウポリでは過去1か月に数千人の民間人死亡の可能性あり=国連監視団

国連人権監視団は、ロシア軍が包囲し、人道状況の悪化するウクライナ東部マリウポリ市につき、過去1か月で市民が数千人亡くなっている可能性があると指摘した。

ロイター通信がマチルダ・ボグナー・ウクライナ国連人権監視団団長の発言を報じた。同監視団の団員は約60名。

ボグナー団長は、インタビュー時に、「私たちは、マリウポリでは民間人の間に数千人の死者、犠牲者が出ている可能性があると考えている」と発言した。同時に、ボグナー氏は、同監視団は、確実な評価を有していないが、さらなる情報を集めるために活動していると指摘した。

これに先立ち、ヴァディム・ボイチェンコ・マリウポリ市長は、ロシア軍が1か月前に同市を包囲してから、児童約210人を含む、約5000人のマリウポリ市民が殺されたと発言していた。また、同氏は、病院、学校、幼稚園、工場を含む同市の90%の建物が損傷し、40%が崩壊していると伝えた。

またボイチェンコ氏は、目撃者情報を根拠に、マリウポリ市中心部の3月16日の劇場への爆撃の結果、市民約300人が死亡したとする試算を伝えている。

写真:Stringer, Anadolu Agency