ドイツ情報機関、ロシア侵略軍のブチャでの蛮行に関する会話を通信傍受=報道

ドイツの情報機関「連邦情報局(BND)」は、ロシア軍が約1か月占領していたキーウ州ブチャでの、ロシア兵の市民に対する蛮行に関するやりとりを通信傍受していた。

独シュピーゲル誌が報じた

報道によれば、傍受された通信上のやりとりは、ブチャの民間人殺害に関する内容であり、いくつかの会話は、人々が目にした同市解放後の写真に写された遺体と内容が一致するものとなっているという。例えば、ある傍受された通信では、一人の兵がもう一人の兵に対して、自身が同僚とともに、自転車に乗った人物を撃ったと述べている。そのブチャの自転車に乗った人物の遺体の写真は世界中を駆け巡り、皆が目にしたものである。また別のやりとりでは、ある男性が、「まず兵士に聞いて回り、それからそいつらを撃て」と述べているという。

シュピーゲルは、これはブチャでのロシア侵略軍の蛮行の新たな証拠であると指摘している。BNDは、この通信傍受の内容につき、ドイツ国会の関連機関に報告したという。

報道では、BNDの傍受したやりとりは、ロシアの蛮行が「偶然の行為」やコントロールの効かなくなった「個別の兵士による行為」ではないことを証明するものだとし、民間人の殺害は、おそらくロシア軍の作戦の一部であり、もしかしたらプーチンの戦略の一部であるかもしれないとも指摘されている。つまり、そのような行為の目的は、民間人の間に恐怖と粛清を拡散させて、人々の抵抗を抑えることにあるのだろうと解説されている。

また、それら蛮行において、シリアにおける特別な残酷さで知られた「ワグナー・グループ」のようなロシアの傭兵が重要な役割を担っていたことが通信傍受からわかると指摘されている。