米英、マリウポリでのロシア軍の化学兵器使用可能性にコメント
米国防省は11日、マリウポリでのロシアによる毒性物質使用は確認できないとしつつ、ロシアが化学兵器を使用する可能性については引き続き懸念を表明した。
カービー米国防報道官が発言した。CNNが報じた。
カービー報道官は、「その報告は、確認されれば、深刻な懸念を起こすし、ロシアによる、化学物質を混ぜた催涙ガスを含めた大規模な騒動鎮圧用の様々な手段のウクライナでの使用可能性に関する、私たちの懸念を反映するものである」と発言した。
同氏は、米国は状況を注意深く追っていくと伝えた。
英国のトラス外相は、ツイッター・アカウントにて、マリウポリにおけるロシアの化学兵器使用の報告の詳細を緊急に検証すると伝えた。
トラス外相は、「マリウポリの人々への攻撃において、ロシア軍が化学物質を使用したかもしれないとの報告がある。私たちは詳細検証のためにパートナーたちと緊急に作業をしている」と書き込んだ。
さらにトラス氏は、そのような兵器のどのような使用であれ、紛争の深刻なエスカレーションとなるものであり、私たちはプーチンと彼の大勢の責任を追及することになる」と発言した。
これに先立ち、11日、東部マリウポリ市の防衛戦に参加するウクライナの国家警護隊特命分遣隊アゾフ連隊は、ロシア占領軍が同市のウクライナ軍人と民間人に対して、無人機から不明の毒性物質を投下したと発表していた。
しかし、ゼレンシキー大統領はその後の動画メッセージにて、アゾフ連隊の報告には言及しておらず、現時点で本件の詳細は明らかになっていない。他方で、ゼレンシキー氏は、ロシア軍がマリウポリで今後化学兵器を使う可能性は警告している。
また11日、ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)傘下の偽情報対策センターは、ロシア軍がマリウポリの「アゾフスタリ」製鉄コンビナートで防衛をしているウクライナ軍に対して、化学兵器を使おうとしているようだと指摘していた。