プーチン氏が「特別作戦」は「ウクライナのミンスク諸合意拒否への返答」だと主張=偽情報対策センター
ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)傘下偽情報対策センターは12日、ロシアのプーチン大統領は、ミンスク諸合意を用いて印象操作を行っていると指摘した。
偽情報対策センターがテレグラム・チャンネルにて伝えた。
偽情報対策センターは、プーチン氏が新たなナラティブとして、現在ロシアがウクライナに対して実施していると主張するいわゆる「特別作戦」は「ミンスク諸合意をウクライナが拒否したことへの返答」だと述べ始めたと指摘した。
具体的にセンターは、12日、プーチン氏はベラルーシの自称「大統領」のルカシェンコ氏と会談したが、その際のプーチン氏の発言の趣旨は「ウクライナがミンスク諸合意履行を公に拒否した」というものだったと指摘した。
しかし、センターは、実際には2月21日、ロシアは武装集団「DPR/LPR」の支配するドネツィク・ルハンシク両州一部地域の独立と主権を承認したのであり、その承認こそがミンスク諸合意への直接的違反であり、ロシアの同諸合意からの公式離脱を意味していたのだと指摘した。またセンターは、ウクライナの政治家たちはミンスク諸合意が「機能していない」と述べていたに過ぎないと伝えた。
さらにセンターは、ロシアによる「ドンバスのジェノサイドをこれ以上見ていられない」から「DPR/LPR」を承認したとの主張は、印象操作だとし、なぜなら、2014年以降の過去8年間、「ジェノサイド」なる用語は、プーチンは言及したことがなかったし、親露メディアすらも使ったことがなかったのであり、ドンバスの実際の状況と全く一致しないものだと説明した。
なお、ミンスク諸合意とは、2014年9月と2015年2月にロシア、ウクライナ、欧州安全保障協力機構(OSCE)の代表者とロシア武装集団幹部(肩書きなし)が署名した、ロシア・ウクライナ武力紛争の治安・人道・社会経済・政治面での包括的解決に向けた諸方策を定めた合意を指す。ウクライナは一定の履行を行っていたが、ロシアは「自らの紛争当事者ではないためミンスク諸合意への履行義務はない」と主張し、同諸合意をほぼ履行してこなかった。