ウクライナ兵はマリウポリの防衛戦継続 露占領者は「移動許可証」を市民に配布=市長顧問

アンドリュシチェンコ・マリウポリ市長顧問は17日、最新のマリウポリ情勢を伝え、ロシア軍はウクライナ兵に降伏用の「回廊」を発表するも、ウクライナ兵側は防衛を継続していると報告した。

アンドリュシチェンコ氏がテレグラム・チャンネルにて伝えた

アンドリュシチェンコ氏は、「占領者は、夜に『降伏のための回廊の提供』について発表した。しかし、今日の時点で、防衛者たちは防衛を維持し続けている」と伝えた。

同氏は、ロシア側による、戦闘が行われているのが「アゾフスタリ」の工場敷地に限定されているという主張は事実に反するとし、昨日の夜にもアゾフスタリから5キロの地点のタハンロジカ通り戦闘があったと伝えた。同氏はまた、占領者側はまたも重火器で民間施設を砲撃しているとし、自動車輸送学校の建物が最も被害を受けたと指摘した。また、「港の敷地でも、襲撃の試みの中、砲撃が続いている」と説明された。

その他、同氏は、ロシア占領者がマリウポリの民間人に対して、市内移動のための「許可証」の取得を強制していると指摘した。それがなければ、来週から、市内の地区間の移動ができないだけでなく、そもそも屋外滞在ができないという。また、この許可証の配布地点が1つしかないため、長い行列ができているという。さらに同氏は、「(住民を)フィルターにかけるためだけでなく、パスポータイゼーション(編集注:被占領地住民への不法な「国籍」付与)の準備だとの情報がある」と指摘した。

また同氏は、ロシア側がしきりに宣伝している「マリウポリ市民への人道支援の提供」は、実際にはパン一片と水のボトル一本だけだと説明し、マリウポリ市の占領されている地区で活動するロシアの政党「統一ロシア」事務所で配布されているが、支援物資は足りていないと指摘した。同氏は、その理由として、国際機関やウクライナ政府が送ろうとしている人道支援をロシア占領軍がマリウポリ氏へ通さないようにしているためだと説明し、さらに同市の医療状況も悪化し続けていると伝えた。

写真:Stringer, Anadolu Agency