ウクライナとロシア、マリウポリ市からの民間人脱出のための人道回廊設置に合意
ウクライナとロシアは、20日にマリウポリ市から女性、児童、高齢者を避難させるための人道回廊を設置することで合意した。
ウクライナのヴェレシチューク副首相兼一時的被占領地再統合相がテレグラム・チャンネルにて伝えた。
ヴェレシチューク氏は、「私たちは、女性、児童、高齢者のための人道回廊につき事前合意に至った」と書き込んだ。また同氏は、マリウポリの凄惨な人道状況に鑑みて、人道回廊設置に努力を集中していると指摘した。
避難者の集合場所は、マリウポリ市内タハンロジカ通りと130タハンロジコイ・ディヴィジー通りの交わる十字路で、14時が集合時間だと発表された。
避難車列は、マリウポリ〜マンフシュ〜ベルジャンシク〜トクマク〜オリヒウ〜ザポリッジャ(政府管理地域)というルートで進むことになる。
同氏はまた、「非常に複雑な治安情勢のため、回廊が機能している間も、変更が生じる可能性がある。そのため、関連の公式発表を追うようお願いする。私たちは、全てが適切に機能するよう全力を尽くしている」と伝えた。
これに先立ち、18日、ロシアからの攻撃を受けるウクライナ東部マリウポリにて、防衛戦に参加するウクライナの部隊の隊長は、世界の国々に対して民間人や負傷者の避難のための支援を要請していた。
なお、現在、ロシア侵略軍がウクライナ東部マリウポリを包囲し続けており、これにより同市の人道状況が著しく悪化している他、同市を防衛するウクライナ軍人の戦況も悪化を続けている。
アレストヴィチ宇大統領府長官顧問は3月18日、現時点でロシア軍による東部マリウポリ市の包囲を解除することは不可能だとし、ウクライナ政権は政治・外交的手段の作業をしていると発言した。
さらに、ゼレンシキー大統領は4月16日、ロシアがマリウポリを防衛しているウクライナ軍人に投降することを提案しており、命の保証を約束しているが、実際には、2014年のイロヴァイシクの時のように、ウクライナ軍人を銃殺したがっている可能性は排除できないと発言している。
18日、現在拘置されている、プーチン露大統領に近いウクライナの政治家、ヴィクトル・メドヴェチューク容疑者は、ゼレンシキー宇大統領とプーチン露大統領に対して、自身とマリウポリで戦闘するウクライナ軍人、と同市市民の交換を提案していた。
写真:AA