ウクライナ侵攻は「始まり」であり、ロシアは他の国も制圧したがっている=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は22日、ロシアによるモルドバへの回廊を作るためのウクライナ南部制圧計画が明らかになったと指摘し、それは現在の対ウクライナ侵攻が始まりにすぎず、ロシアはさらに他の国も制圧したがっているとの見方を示した。
ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージにて発言した。
ゼレンシキー氏は、「今日、ロシア軍人へのメッセージとともに、ウクライナ南部のコントロール確立とモルドバ国境への到達が現在の彼らの課題だというニュースが広まった。そして、あたかもモルドバでは、ロシア語話者の権利が侵害されているというのだ…。それは、私がこれまで何度も話してきたことを確認するものだ。ロシアのウクライナへの侵攻は、始まりに過ぎず、彼らは今後さらに他の国も制圧したがっている」と発言した。
同時に同氏は、ウクライナは、そのロシアの野心を壊すのに必要なだけ自らを守っていくと述べた。同氏は、ウクライナはそのロシアの野心の道における最初の標的になったのであって、全ての人々がウクライナとともに闘い、ウクライナを支援するべきだと強調した。そして、「次は誰だろうか? 今後同じ境遇になるかもしれない者が、何かを失わないために、現在中立でありたがっている(編集注:ロシアの侵略に対して強い制裁を発動していないモルドバ政権のこと)が、それは実際には最もリスクのある賭けである。なぜなら、(そうすると)あなたは全てを失うからだ」と強調した。
同氏は、ロシア政権幹部の主張するいわゆる「ロシア語話者の保護」につき、実際には「ロシア語話者の権利」の侵害について話すべきなのは、ロシア自体の状況であるとし、ロシアには表現の自由も選択の自由もなく、異なる考えを抱く権利も存在していないことを指摘した。
これに先立ち、22日、ロシア軍中央軍管区のミンネカエフ司令官代行は、現在のロシア軍の課題の一つは、ウクライナ東部と南部の完全なコントロールを確立することであるとし、ウクライナ南部のコントロール確立は、モルドバ・トランスニストリア地域の自称「国家」支配地域、へアクセスできるようになると発言していた。その際、ミンネカエフ氏は、トランスニストリアでは「ロシア語話者が抑圧されている」とも発言していた。
写真:大統領府