国連事務総長の滞在時にキーウへ露軍ミサイル攻撃 宇政権は非難

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28日、グテーレス国連事務総長がウクライナ首都キーウ(キエフ)を訪問していた際に、ロシア軍のミサイルが同市シェウチェンキウシキー地区に着弾した。

ミサイル着弾については、28日にクリチコ・キーウ市長がテレグラム・チャンネルにて伝えた

クリチコ氏は、ミサイル2発が市内シェウチェンキウシキー地区にある集合住宅の下層に着弾、速やかに救助隊と医療班が現場で作業を始め、人々を避難させていると伝えた(29日のクリチコ市の報告では、死者は出ておらず、4名が負傷とのこと)。

同攻撃につき、ゼレンシキー大統領は、同日の動画メッセージにて、ロシアのミサイル攻撃についてコメントした。ゼレンシキー氏は、「(28日)ロシアのミサイル攻撃がウクライナ全土に対して行われた。キーウ、フェスチウ、オデーサ、フメリニツィキー、その他の町。気を抜いてはならず、戦争が終わりそうだなどと考えてはならないことを改めて示している。私たちはまだ戦わねばならない。まだ占領者を追い出さなければならない」と発言した

とりわけゼレンシキー氏は、本攻撃はグテーレス国連事務総長がウクライナに滞在していた時のことであり、キーウでの自身とグテーレス氏との会談直後ロシアのミサイル発射が行われたと指摘した。同氏は、「ミサイル5発だ。そして、これはロシアが世界の機構に対する真の姿勢を多く説明し、ロシア首脳陣の国連と国連を代表するあらゆるものへの侮辱の試みを示すものだ。それには適切かつ強力な対応が必要である」と強調した。

またレズニコウ宇国防相は、ツイッター・アカウントにて、「アントニオ・グテーレス国連事務総長がキーウを訪問している時に、国連安全保障常任理事国であるロシアが町をミサイルで攻撃する。それは事務総長の安全と世界の安全への攻撃だ!」と書き込んだ

ボレル欧州連合(EU)上級代表は、ツイッター・アカウントにて、「ロシアのミサイルがキーウとその他のウクライナの町を攻撃したことにより、衝撃を受け、恐れおののいている。ロシアは、グテーレス国連事務総長とペトコフ・ブルガリア首相の滞在中にその街を爆撃することで、またしても国際法への図々しい不敬を示している」と書き込んだ

さらに、BBCのブラウン記者は、ツイッター・アカウントにて、グテーレス事務総長は今回のミサイル攻撃に「衝撃を受けている」と話していると伝えた

なお、29日、クリチコ市長は、市内シェウチェンキウシキー地区のミサイル着弾現場を訪れ、被害の様子を動画で報告している。犠牲者の数が少なかったのは、着弾した集合住宅が新しいもので、まだ居住者が少なかったからだと説明した。

写真:大統領府