東部ハルキウ州、前日の民間人死者5名 各地の情勢
ロシアの全面的侵略の続くウクライナでは、東部ハルキウにて、過去24時間のロシア軍の攻撃により、民間人が5名死亡、11名負傷した。
28日、シニェフボウ・ハルキウ州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて報告した。
シニェフボウ氏は、「敵は、ハルキウ市に対する火砲砲撃を継続。今日は、(市内)キーウ地区、ネミシュリャンシキー地区が砲撃された。ハルキウ市民が2名死亡、4名負傷。また、ハルキウ地区の自治体も砲撃を受け続けている。フロリーで1名負傷、コテリャリで1名負傷、1名死亡。ポコティリウカで5名負傷、2名死亡」と報告した。
南部ミコライウに対しては、ロシア軍から多連装ロケットシステム「スメルチ」での砲撃が行われた。28日、南部の指揮を統括する作戦司令部「ピウデン(南)」がユーチューブ・チャンネルにて報告した。
発表には、「ミコライウに対してまたしても多連装ロケットシステム『スメルチ』による攻撃を受けた。何十もの民間住宅、自動車、店が損壊。クラスター弾が児童用公園や教育施設の中庭を覆った。被害者情報は確認中である」と書かれている。
また、29日、「ピウデン」は、ミコライウに対するミサイル攻撃についても報告した。
発表には、「ミコライウはミサイル攻撃を受けた。朝、ロシスト(編集注:ロシア・ファシストの意)軍は、ミコライウの企業の一つを攻撃。ミサイル攻撃により、建築資材製造所が破壊された。被害者はなし」と書かれている。
司令部は、敵はヘルソン州とミコライウ州に構えている陣地にて戦闘行為を続けていると伝えた。
北部スーミ州では29日、ウクライナ国境警備庁が、テレグラム・チャンネルにて、ロシア領からの砲撃を報告した。
発表には、「今朝、敵は、ロシア連邦領からスーミ州へと砲撃を行った。国境警備隊は、ロシアのゴロディシェ村側から放たれた30発以上の迫撃砲砲弾の飛来を確認した」と書かれている。
28日、西武フメリニツィキー州のハマリー軍行政府長官は、同州シェペチウ地区にて、敵のミサイル攻撃にてインフラ施設が破壊されたと伝えた。犠牲者は出ていない。テレグラム・チャンネル「速報ウクライナ軍」が伝えた。
東部ルハンシク州のハイダイ州軍行政府長官は29日、フェイスブック・アカウントにて、同州はロシア軍の攻撃を10回受けたとし、とりわけ、オリホヴェにて戦闘が激しくなっていると伝えた。また、リシチャンシクが4回、ポパースナが2回砲撃された他、シェヴェロドネツィク、ヒルシケ、プリヴィッリャでも砲撃が確認されたという。
また、オリホヴェとスヴィトリチネでは、ウクライナ軍陣地への襲撃が複数回が行われたが、ウクライナ側は撃退したと伝えられた。
その他、ハイダイ氏は、同州シェヴェロドネツィクの学校への砲弾着弾の写真を公開した。
英国防省は29日、ロシア・ウクライナ情勢につき、「ドンバス戦がロシアの主要な戦略的焦点であり続けている。ドネツィク・ルハンシク両州のコントロールを確保するという宣言された目的を達成するためである。(中略)ウクライナの強力な抵抗により、ロシアの領土獲得は限定的であり、ロシア戦力の著しい損失によって達成されている」との評価を示した。
また、28日には、ロシア軍のミサイルがキーウ市シェウチェンキウシキー地区に着弾している。
なお、ウクライナでは、2月24日からロシアによる全面侵略が続いている。とりわけ、ロシア軍はm3月末以降、キーウ周辺を含む北部の戦力を引き上げ、4月18日からはロシアは東部・南部を中心とする戦争の第二局面へと移行している。