マリウポリ近郊住民への厳重審査を行う「フィルターキャンプ」につき市当局が説明
ロシアが制圧・占領統治を進めるウクライナ東部マリウポリの近郊自治体では、占領当局が男性住民のほぼ全員を厳重審査のために近郊ベズイメンネ村の「フィルターキャンプ」へ連れて行っているという。
29日、アンドリュシチェンコ・マリウポリ市長顧問がテレグラム・チャンネルにて伝えた。
アンドリュシチェンコ氏は、「近郊(ミールニー、ヴォロンテリウカヴォロンテリウカ、ヴィノフラドネヴィノフラドネ)では、ベズイメンネ村のフィルターキャンプへとほぼ全ての男性を連行している。フィルタリング(編集注:尋問などによる人物審査)が終わった後でも、彼らは1週間以上家に戻されていない。その理由と被害について調べ続ける」と書き込んだ。
同氏はまた、占領政権のフィルタリングを行う機関はマリウポリ市自体にはないとしつつ、同時にこの厳重審査を受けずに同市に滞在することはどんどん困難になっているため、自発的にフィルター機関のある場所(近郊の4つのキャンプか、武装集団が以前から支配している地域)へと辿り着かなければならないと指摘した。
占領政権は、移動を容易にするために、マリウポリ市内中央地区の旧大型スーパー「メトロ」と、左岸地区第5学校から、いわゆる「DPR非常事態省」のバスがドネツィク州スタロベシェヴェまで出ており、そこで「審査」を受けることができるが、審査後マリウポリまでは自力で帰らなければならないか、あるいはロシア領へ行かねばならないという。
またマリウポリ市内では、住民への監視が強まっているとし、市内移動は「審査」を通過したことを示す紙以外に、マリウポリ市に居住登録があるか、親か子供との面会のための移動であることを証明する物の提示が必要だという。
アンドリュシチェンコ氏は、「どんな時でも、市内のどんな場所でも、止められ、確認のために文書提示を要求される可能性がある」と発言した。
写真:Stringer, Anadolu Agency