ロシアがウクライナから奪った穀物はすでに数十万トン=宇政府関係者

ウクライナのヴォソツィキー農業政策・食料次官は1日、ロシア侵略軍は占領するウクライナのルハンシク州、ドネツィク州、ヘルソン州、ザポリッジャ州から数十万トンの穀物を持ち去っていると発言した。

ヴィソツィキー次官によるテレビ出演時の発言を、農業政策・食料省広報室がフェイスブック・アカウントにて公開した

ヴィソツィキー氏は、「ロシア人は、穀物を盗み、ウクライナから持ち出すという、20世紀初頭の戦術を用いている。今日、私たちは確認の取れた事実を有している。ヘルソン州、ザポリッジャ州、ルハンシク州、ドネツィク州から合計数十万トンの穀物が持ち出された」と発言した。

同氏はまた、これらの州にて農家の種蒔き用の備蓄や、加工用のものまで、約150万トンの穀物があるとし、「それは重要な備蓄だ。国際価格で言えば、それは数億ドルするものである。それが単に盗まれ、ロシアのために持ち去られるという大きなリスクがあるのだ」と指摘した。

これに先立ち、ダニーロウ近東研究センター副所長は、ロシア侵略軍が占領するウクライナ南部ヘルソン州から同地の食糧安全保障に必要な穀物の備蓄を持ち出してしまうおそれがあると指摘していた

また、4月28日、最高会議(国会)は、テレグラム・チャンネルにて、ロシア連邦のクラスノヤルスク地方議会ウェブサイトに、「ヘルソン地方農家の余剰作物の収用」計画の文が公開されたと伝えた。

その他、ウクライナ最高会議(国会)人権問題全権のデニーソヴァ氏もまた、ロシア侵略軍が穀物と食料品を一時的占領地から持ち出していると伝えていた。

ウクライナ外務省はこのロシアの行為につき、1932〜33年のホロドモールや、1921〜23年、1946〜47年の大飢餓といったソ連政権の犯罪政策の延長線上にある行為だと指摘している