ゼレンシキー宇大統領、ウクライナ東部前線を視察

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ウクライナのゼレンシキー大統領は5日、ロシア軍の侵攻の続く東部のドネツィク・ルハンシク両州と南部のザポリッジャ州を視察した。

ウクライナ大統領府が公表した。

発表によれば、ゼレンシキー大統領は東部ではドネツィク州バフムートとルハンシク州リシチャンシクの指揮所と前線拠点を訪問した。なお、リシチャンシクは、現在ロシア軍との激しい市街戦の生じているシェヴェロドネツィクと隣接しており、連日砲撃を受けている町。

ゼレンシキー氏は、前線の最新情勢の情報を聞いた他、ウクライナ軍人の物品・装備品の供給状況における報告を受けた。

同氏はまた、軍人たちと直接対話をし、叙勲を行い、贈呈品を手交した。

南部ザポリッジャ州でも、ゼレンシキー大統領は前線拠点を訪れ、情勢を把握、軍人たちと対話を行った

ゼレンシキー氏は、軍人たちに対して「偉大な活動、あなた方の仕事、あなた方が私たち皆を、私たちの国を守ってくれていることにつき謝意を伝えたい。一人一人に感謝している。あなた方と、あなた方を支える家族の健康を願いたい。そして自分のことを守ってくれ!」と呼びかけた。

また、ゼレンシキー氏は、ザポリッジャ州にて、地域の現状に関する会議を開催した

その際、スタルフ・ザポリッジャ州軍行政府長官は、ザポリッジャ州は約60%がロシア軍に一時的に占領されており、一部で戦闘が継続していると伝えた。また、同州77の自治体が戦闘により停電しており、2701のインフラ設備が破壊され、その内約700がすでに復旧されていると報告した。

スタルフ氏は、「過去15日間、(ザポリッジャ州へ)移動してくるのが最も多いのは、(被占領下)ヘルソン州からだ。また、マリウポリからも到着している」と発言した。

ゼレンシキー氏は、スタルフ長官に対して、被占領下に残る住民のためのあらゆる必要な支援を与えるよう指示を出した。ゼレンシキー氏は、「多くの人が敵に一時的に占領されている自治体からやってきている。私たちは、彼らの生活の問題、避難民への住居の提供に集中せねばならない。また、彼らの仕事のケアもせねばならない。私は、その中に高度な専門家がいることを確信している」と発言した。

また、ゼレンシキー氏は、ザポリッジャ市にて、マリウポリからの避難民とも対話を行った。

さらに6日未明、ゼレンシキー氏は、国民向け動画メッセージを公開し、今回の視察について報告を行った

ゼレンシキー氏は、ザポリッジャとリシチャンシク、ソレダールを訪問したとし、「会った人、握手をした人、話をした人、サポートを伝えた人、一人一人を誇っている。軍人たちのところへちょっとした物を持って行った。それについて詳細は話さない。それから、彼らからあなた方のために持って帰ってきた物がある。それは重要だ。私たちは『確信』を持って帰った。そして、強固さもだ。私は、彼らの健康を願っている。彼らの親には、敬意を。私たち皆には、勝利を。ウクライナに栄光あれ」と呼びかけた。

なお、ウクライナでは、2月24日からロシア軍の全面的侵略が続いている。とりわけ、ロシア軍は4月中旬からは東部へと戦力を集中し侵攻を続けており、ルハンシク州は臨時州都であるシェヴェロドネツィクにて激しい市街戦が展開している。