ロシアによる3か月の占領 南部エネルホダルの状況を市長が報告
ウクライナ南部ザポリッジャ州エネルホダル市は、6月4日でロシア軍に制圧されてから3か月を迎える。
ドミトロー・オルロウ・エネルホダル市長がテレグラム・チャンネルにて現状を報告した。
オルロウ市長は、「市民への物理的、心理的圧力が強まった。エネルホダル市民の拉致件数が明らかに増えた。地下に放り込まれているのは、活動家や反テロ作戦元参加者、エネルホダル制圧時に検問所で抵抗した者だけではない。今は、拉致のロジックを追い求めるのは不可能となっている。なぜならそんなロジックは存在しないからだ。拘束されているのは、前述のカテゴリーとは全く関係のない普通の市民である。人々は、数週間拘束されている」と伝えた。
オルロウ氏はまた、入居者が市から脱出したアパートを中心に、略奪事例が増えているとし、ロシア軍人は扉を破壊し、貴重品など、気に入った物を片っぱしから住居から持ち出していると指摘した。
さらに同氏は、ロシア占領政権が人道危機を意図的に深めているとし、インターネットが長期に渡り遮断されていることから、カード支払いがほとんど不可能となっていると伝えた。同時に、流通する現金はなくなってきており、同時に物価は高騰、安いのは、他の地域に搬送できなくなった旬の野菜だけだと説明した。
ロシア製の医薬品が現れているが、路上で日光に晒されながら通りや市場で売られているため、保管状況への疑いから、市民の間ではウクライナの医薬品への需要が高いままだが、エネルホダル市へウクライナの医薬品を持ち込むのはどんどん難しくなっていると伝えられた。
同氏は、同時に「ロシアのプロパガンダ(TV)チャンネルは、シニカルなことに、ウクライナ側が携帯電波やインターネットを遮断していると伝えている。実際には、占領者たちは、住民をロシアの携帯事業者やプロバイダーへと移行させる準備をしている。他方、現時点ではエネルホダルにはそのような移行は技術的にも不可能である」と指摘した。
加えて同氏は、過去3か月間、市民の間でロシアに対する支持は、これまで中立的な立場を示していた人の間でも著しく下がっていると述べた。「占領者たちの人事問題は解決していないどころか、悪化している」と報告した。