国連機関、露武装集団「DPR」による外国籍軍人への「死刑判決」を戦争犯罪と指摘

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、ウクライナ東部のロシア武装集団「DPR」の「裁判所」がウクライナ軍所属の外国人軍人3名に対して「死刑判決」を下したことを強く非難した。

10日、国連ニュースサイトにて発表された

シャムダサニOHCHR報道官は、「捕虜に対するそのような裁判プロセスは戦争犯罪に匹敵する」と述べ、自称「DPR」のいわゆる「最高裁判所」が3名の捕虜に対する「死刑判決」を言い渡したことに懸念を表明した。なお、ウクライナ軍によれば、3名は同軍に所属しているため、「傭兵」とみなされてはならないという。

また、ドゥジャリク国連事務総長報道官は、国連はどのような状況下においても死刑には反対してきたし、今後も反対していくと発言し、拘束された戦闘員はジュネーブ条約に従った国際的保護を与えるよう呼びかけた。

これに先立ち、9日、ウクライナ東部のロシア武装集団「DPR」の「裁判所」がウクライナ軍に所属して戦闘に参加していた外国国籍者3名に対する「死刑判決」を言い渡していた。

武装集団構成員は、英国国籍のショーン・ピナー、エイデン・アスリン、モロッコ国籍のブラヒム・サウドゥンの3名に対して、「傭兵、政権奪取を目的とした行為」にあたるとして「有罪判決」を下していた。

英国国籍のピナー氏とアスリーン氏の2名はマリウポリでロシア軍に拘束され、モロッコ国籍のサドゥン氏はヴォルノヴァハで拘束されていた。

ウクライナ外務省は、9日の東部の一時的被占領地におけるウクライナ軍所属外国人軍人への「裁判」は無意味であると指摘した。ブリンケン米国務長官は9日、同「死刑判決」への懸念を表明。トラス英外相は、同「判決」を非難しつつ、3名は捕虜であり、「判決」は完全に違法なフィクションだと発言していた