ゼレンシキー宇大統領、ロシアによるアゾフ連隊のテロ組織認定を「馬鹿げた判決」と指摘
ウクライナのゼレンシキー大統領は3日、ロシアの裁判所がウクライナの国家警護隊特命分遣隊「アゾフ連隊」を「テロ組織」と認定する判決を下したことにつき、ロシア連邦自身がトップ・テロリストなのであり、同判決は馬鹿げたものだと発言した。
ゼレンシキー大統領が3日夜の動画メッセージで発言した。
ゼレンシキー氏は、「現在、ロシアの人々は、自国をテロ国家と認定されることが回避できないことを実感し始めているようだ。ロシア軍やロシアの民間軍事会社なるものが行ったあらゆることの後では、世界のどのようなテロ組織すらもテロでの1位を主張することは不可能だ。ロシアが間違いなく1番のテロリストだからだ。そして、それは確実に、法的結果、特に、米国やその他の世界の主体による決定を受けるに値するものだ。正にそのために、新たにモスクワからのプロパガンダが活性化しているのである。彼らは突然、アゾフの隊員たちをテロリストと認定することを決めた。しかし、それはテロ国家による認定であり、全く馬鹿げたものである」と発言した。
同氏はまた、テロ国家ロシアは「協議を欲している」なる主張を活発に広めていると指摘しつつ、「もしロシアが本当に戦争の終結を望んでいるならば、ロシアはウクライナ南部に予備兵力を集結させることはなかったであろうし、ウクライナ領に無辜(むこ)の民の集団墓地を生み出すこともなかったであろう」と発言した。
その他、同氏は、欧州の価値を持つ強力な国家の元首脳が、その価値に対抗するロシアのために働いているのを見るのは、不快だと強調した(編集注:シュレーダー独元首相の最近の発言を指すと思われる)。
同氏は、「戦わねばならないし、私たちの大地のテロリストを倒さねばならないし、ウクライナの利益について情報を広めなければならないし、ウクライナのための成功を築かねばならないし、勝利を打ち立てなければならない。一人一人が、自分のレベルでだ。ウクライナ人も、パートナーたちも。テロは、協力した不屈の力でのみ止められるのだ」と強調した。
ゼレンシキー氏はまた、世界のロシアのプロパガンダがいまだに広まっている地域でも、ウクライナの視点が伝えられるようにするという極めて重要な課題を解決しなければならないと指摘した。同氏は、その世界の地域とは、太平洋地域や、東・南アジア、アラブ世界、アフリカ、南アメリカだと指摘し、国外にいるウクライナの人々や、ウクライナの友人たちからの情報面でのサポートが必要だと強調した。
これに先立ち、ロシア最高裁判所は2日、ウクライナの国家警護隊「アゾフ連隊」をテロ組織と認定し、ロシア国内での活動の禁止を求めるロシア検事総局の要請を承認していた。
写真:大統領府