ロシア軍、ウクライナ各地で攻撃続ける 民間人に死傷者=各地情勢
ウクライナへの侵略を続けるロシア連邦軍は19日朝、東部ハルキウ市の3地区をミサイルで攻撃し、高等教育機関や企業、民家を破壊、民間人1名が死亡した。
シニェフボウ・ハルキウ州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルで報告した。
シニェフボウ氏は、「朝6時ごろ、少なくとも5回、(ハルキウ)市のキーウシキー地区、ネミシュリャンシキー地区、オスノヴヤンシキー地区への攻撃があった。キーウシキー地区では、高等教育機関の1つが破壊された。オスノヴヤンシキーでは、民間企業の建物が破壊された。ネミシュリャンシキーではミサイルは民間家屋2軒に着弾した。現時点で、女性1名の死亡が判明している。彼女は、教育機関の警備だった」と書き込んだ。
また、チュベンコ・ハルキウ州検察は、17、18日のハルキウ市内の寮へのミサイル攻撃の際の死者が16名に上ったとウクルインフォルムの記者に伝えた。
チュベンコ氏は、「サルチウシキー地区の建物は、すでに死者16名だ。救助隊が50歳女性の遺体を見つけた。最後に見つけた遺体はおそらく男性のもので、確認中である。スロビツィキー地区の捜索・救出作業は終了した。最終的な数は、死者5名である」と報告した。
南部ドニプロペトロウシク州の情勢は、レズニチェンコ同州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて報告した。
レズニチェンコ氏は、「クリヴィー・リフ地区アポストロヴェ共同体では、ロシア人が36歳の男性を殺害した。彼らは共同体を多連装ロケットシステム『ウラガン』で砲撃。ペルシェ・トラウニャ村では、住宅、送ガス管、電線が損傷した」と伝えた。
また、ヴェリカ・コストロムカへも榴弾砲で攻撃あり、シネリニコヴェでは敵の多連装ロケットシステム「トルナードS」による攻撃で12歳の児童が負傷したと報告されいている。
さらに同氏は、ニコポリでは、敵が榴弾砲10弾で攻撃し、最大20軒の集合住宅が損傷、他店、学校、銀行、バス停が損傷したと報告した。
南部ミコライウ州では、シェンケヴィチ・ミコライウ市長が、昨晩ロシア軍が同市に対してミサイル攻撃を行ったと伝えた。
シェンケヴィチ氏は、19日4時6分に「ミコライウにて巨大な爆発! 空襲警報解除までシェルターにいてくれ!」と書き込んだ。その後同氏は、朝方「露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)たちは、私たちの大学をまた攻撃した。またS300のミサイル2発だ」と書き込み、被害の写真を掲載した。
東部ドネツィク州臨時州都クラマトルシクでは、19日、ホンチャレンコ市長がフェイスブック・アカウントにて、同日朝のロシア軍の同市教育機関への攻撃被害を報告した。
ホンチャレンコ氏は、「朝のクラマトルシクへの攻撃だ。占領者は、私たちの教育施設を破壊し続けている。暫定情報では、犠牲者は出ていない」と書き込んだ。
また、18日、ドネツィク州軍行政府は、ユーチューブチャンネルにて、同州シヴェルシクへのロシア軍の砲撃の被害を写した動画を公開した。
国境警備庁は19日、北部のスーミ州とチェルニヒウ州へのロシア軍のロシア領からの越境砲撃につき報告した。
発表には、18日、敵は迫撃砲、多連装ロケットシステム、榴弾砲で攻撃を行い、スーミ州のクラスノピッリャ共同体、ミロピッリャ共同体、ビロピッリャ共同体、チェルニヒウ州のセメニウカ共同体とノウホロド=シヴェルシク共同体に着弾したと書かれている。
写真:国境警備庁
いずれの砲撃も、ロシア領からのものだと報告されている。
ジヴィツィキー・スーミ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、18日には約100弾の砲弾が同州に飛来したと伝えた。
その他、19日8時時点の各軍行政府の情報をもとにした報告書の概要は以下のとおり。
ルハンシク州(東部):18日、ウクライナ軍は敵の攻撃を8回撃退。攻撃の大半は、バフムート方面へと向けられたもの。襲撃はルハンシク州の自治体などから組織されたもの。8の自治体で、敵は航空機を攻撃に使用。過去24時間、敵は16回、榴弾砲と多連装ロケットシステムを使用。
ドネツィク州(東部):過去24時間、民間人が5名死亡、10名負傷。ロシア軍は、アウジーウカ、トレツィク、マクシミリヤニウカ、ドルジュバ、ミコライウカ、プリシブ、バフムート、オザリャニウカ、オレクサンドロピリを砲撃。集合住宅3軒、民間家屋9軒、ガレージ、民間・公用車両4台、店1軒が損傷。
ミコライウ州(南部):ミコライウ地区ハリツィノヴェへ多連装ロケットシステム「スメルチ」によるクラスター弾での砲撃あり、複数の住宅が損傷、消防署と消防車が破壊された。3名負傷。バシュタンカ地区では前日、敵がシローケ共同体を22時から4時にかけて砲撃。砲弾は自治体の外に着弾。犠牲者なし。コンタクト・ラインのベレズネフヴァテ共同体は恒常的に砲撃を受け続けている。
ヘルソン州(南部):ほぼ全域で銭湯継続。ロシア人から解放された領土では、対人地雷(POM-2)が発見された。多くの自治体に地雷が設置されている。他州と隣接する村とインフレツ川の通る村の情勢が引き続き緊迫。ロシア人は、ヘルソン市のウクライナの国章などシンボルを塗りつぶすために若者を他地域から寄せ集めている。州住民は、引き続き、ウクライナのネットやテレビへアクセスのないまま。
その他の地域は相対的に平穏だった。