ザポリッジャ原発、完全停止=エネルホアトム社

ウクライナの原子力発電公社「エネルホアトム」社は11日、ウクライナ南部にてロシアが支配するザポリッジャ原子力発電所の稼働を完全に停止する決定が採択されたと発表した。

エネルホアトム社がテレグラム・チャンネルにて報告した

同社は、9月11日未明3時41分、ザポリッジャ原発6号機が電力供給網から切断されたとし、現在同機の冷却の準備が行われていると伝えた。

なお、同社は、ロシアの砲撃によりザポリッジャ原発とウクライナの電力システムのラインが全て損傷していたため、過去3日間、6号機は原発自体に必要な電力を供給するための超低度の発電(114〜140MW)を行っていたと伝えた。他方、10日夜、そのラインの1つを復旧したことでウクライナ電力システムからの原発自体の需要分の電力供給が可能となったため、6号機の稼働を停止し、最も安全な「冷却停止」状態に置くことが決定されたという。

電力供給網とのラインの損傷が再び生じるリスクは高く、その場合、ザポリッジャ原発自体が必要とする電力の供給はディーゼル発電で行われていくことになるが、その発電機が稼働できる期間は燃料の量によって限定されると書かれている。

エネルホアトム社は、ザポリッジャ原発へ追加のディーゼル燃料の供給を確保すべくあらゆる方策をとっていると伝えた。

同社はその上で、「原発における災害的状況を回避するためには、露シスト(編集注:ロシア+ファシストの造語)によるザポリッジャ原発と電力システムを繋ぐラインへの砲撃を止め、原発周辺に非軍事化圏を設置することが不可欠である。その後、電力ラインの修繕、ザポリッジャ原発の稼働と今後の安全な運行の確保が可能となる」と強調した。