ロシア軍、ザポリッジャ、ミコライウ、ドニプロの市街地を攻撃 民間人に死傷者=各地被害

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ウクライナへの全面侵略を続けるロシア軍は、29日から30日朝にかけて、各地への攻撃を継続。ミコライウ市、ドニプロ市、ザポリッジャ市の3州都に対しては、市街地へ攻撃が行われ、民間人に死傷者が出ている。

南部ミコライウ市では、29日夕方と30日未明に2回ミサイル攻撃が行われた。

29日夕方の攻撃について、シェンケヴィチ・ミコライウ市長は、テレグラム・チャンネルにて、「19時20分時点で、住民3名が死亡、12名が負傷。また住宅と電線が損傷した」と書き込んだ

また、ザマジェイェヴァ・ミコライウ州議会議長は、テレグラム・チャンネルにて、同市への攻撃はクラスター弾によるもので、人通りの多い通勤時間の公共交通機関の停留所のある場所に着弾したと報告し、「それは、民間人殺戮のための意図的なテロ行為以外の何物でもない!」と伝えた

さらに、30日未明、キム・ミコライウ州軍行政府は、テレグラム・チャンネルにて、ミコライウ州のピウデンノウクラインシケとヴォズネセンシケの間での爆発と、ミコライウ市へのミサイル(あるいはロケット)の集合住宅への着弾を報告した。同氏は、前者は、イラン製自爆型無人機のだとし、「シャヒド1機が中心部の建物を損傷させた。もう1機のシャヒドがインフラに着弾。国家非常事態庁が活動している。死者、負傷者は今のところいない」と伝えた。

さらに、同氏は、ミコライウ市への攻撃については、「ミサイル1弾が9階建て集合住宅に着弾。激しい破壊が生じ、瓦礫の下に人がいる」と書き込んだ。

その後、ティモシェンコ・ウクライナ大統領府副長官は30日朝、テレグラム・チャンネルにて、同日未明、ミコライウ市への攻撃につき、アパートが複数破壊されたが、瓦礫の下に埋まっていた住民は全員救出されたと報告した

ティモシェンコ氏は、現場の写真・動画とともに「ミコライウ。確認の取れた情報だ。攻撃の結果、4軒のアパートが完全に崩壊、6軒が部分的に崩壊した。瓦礫の除去作業は、8時時点に終了した。全ての人が救出された!」と報告した。

南部ドニプロ市へは、30日夜間、交通機関企業に対して短距離弾道ミサイル「イスカンデル」による攻撃が行われた。レズニチェンコ・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて伝えた

レズニチェンコ氏は、「1名が死亡、5名が負傷。これが夜間のロシアのイスカンデルが平和なドニプロに飛来した後の状況だ」と書き込んだ。

このミサイルは、交通機関企業を破壊したとあり、火災の際に、バスが52台全焼し、さらに他98台が損傷した報告されている。

ドニプロ市交通機関企業へのミサイル攻撃被害 写真:ミコラ・ムヤシコウ/ウクルインフォルム

その他、市内の集合住宅、学校、店、政府関係庁舎が複数損傷したと言う。

レズニチェンコ氏は、同州ではその他ニコポリ地区へも攻撃があり、チェルヴォノフリホリウカ共同体とニコポリにて、産業施設、民家、水道管、電線が被害を受けたと報告した。これら攻撃では、犠牲者は出ていないという。

南部ザポリッジャ市への30日朝のミサイル攻撃について、ティモシェンコ大統領府副長官は、テレグラム・チャンネルにて、23名の死者を出した同攻撃はS-300のミサイルで行われたものだと報告した。

ティモシェンコ氏は、「ロシア人は、ウクライナ人を私たちのザポリッジャの大地で殺戮している。テロを続けている。殺人を続けている。暫定評価では、地対空ミサイルシステムS-300を使って16弾のミサイルが発射された。23名が死亡、28名が負傷。人ならざる者たちだ」と書き込んだ。

写真:オリハ・スヴォナレヴァ/ウクルインフォルム

その他、30日9時時点の各地軍行政府の情報をもとにした報告書の概要は以下のとおり。

チェルニヒウ州(北部):ロシア領から迫撃砲と自走榴弾砲によりチェルニヒウ地区とノウホロド=シヴェルシキー地区へ3回砲撃あり。犠牲者・破壊なし。

スーミ州(北部):スーミ州へは、約200弾の砲撃あり。ビロピッリャ共同体、ズノブ=ノウホロド共同体、シャリヒネ共同体、エスマン共同体、クラスノピッリャ共同体、セレディノ=ブダ共同体、ユナキウカ村周辺の国境地点、民間施設が砲撃された。住民3名負傷。

写真:ジヴィツィキー・スーミ州軍行政府長官(テレグラム)

オデーサ州(南部):30日未明、オデーサ湾(ザトカ)上空で防空システムがオデーサ市へ向かって飛行していた敵の自爆型無人機2機を撃墜。

ハルキウ州(東部):過去24時間、侵略国はクプヤンシク地区、ボホドゥヒウ地区、イジューム地区、ハルキウ地区、チュフイウ地区への砲撃を継続。最も被害が大きいのは、クプヤンシクとクプヤンシク地区。州内負傷者は7名。

ルハンシク州(東部):ウクライナ軍の航空機は、衝突ライン沿いを29回攻撃。敵の防衛地点6か所、20の機材集積地、3つの地対空ミサイルシステムへのダメージを確認。さらに、防空システムが7機の無人機を撃墜、その内5機はイラン製のもの。また、ヘリMi-8と攻撃機Su-25を撃墜。また、ミサイル・火砲部隊は、敵の5つの指揮所、15の兵員・兵器集積地、6の弾薬・燃料庫、1の地対空ミサイルシステム、8のその他重要物を攻撃した。

ドネツィク州(東部):敵は、30日未明、マルインカ、クラスノホリウカ、ノヴォミハイリウカ、コスチャンティニウカ、マルインカ共同体を砲撃。さらに敵は、トレツィク、ザリーズネを火砲で砲撃し、ソレダール近くのオチェレティネ共同体、ヴァシュキウカ、ヤコウリウカ、パラスコヴィーウカも攻撃された。30日は朝から、アウジーウカの中心部への大規模な火砲砲撃が行われている。過去24時間で、住民8名が死亡、17名が負傷。

ドネツィク州の夜間砲撃の被害 写真:キリレンコ・ドネツィク州軍行政府長官(フェイスブック

ヘルソン州(南部):状況は引き続き極めて困難、活発な戦闘が継続。ロシア軍は、ミロリュビウカ、ノヴォヴォロンツォウカ、ペトリウカ、ビロウソヴェ、ノヴォペトリウカ、スヒー・スタヴォクを砲撃。民間人負傷者、民間インフラ破壊あり。複数の自治体で、水と電気の供給が止まっているが、敵の恒常的攻撃から近く復旧することはできない。カホウカ地区をはじめ、複数の州内自治体でガス供給が止まっている。ロシアのメディアは、ウクライナ軍がブリリウカ地区の送ガス管をミサイル攻撃をしたからだと喧伝。

その他の地域は相対的に平穏だった。