プーチンは何を行っても袋小路の状況から脱出できず、敗北し続ける=米CIA元長官

デヴィッド・ペトレイアス米中央情報局(CIA)元長官(2011〜2012年)は、プーチン露大統領はウクライナにて自らを袋小路に追いやったとし、核兵器による脅迫を含め、どのような行動を取ろうともそこから脱出することはできないとの見方を示した。

ペトレイアス氏がABCニュースへのインタビュー時に発言した

ペトレイアス氏は、「プーチンは、重要ながらも苦し紛れの行動によっても負ける。ゼレンシキー大統領とウクライナは、ロシアよりはるかに上手に動員した」と指摘し、ウクライナは、「ロシアとは比べ物にならないほど上手に」軍を集め、鍛え、秩序立て、組織し、利用したと発言した。

同氏はまた、プーチン氏がどれだけ虚勢を張ろうが、「どんな併合も、隠れた核の脅威であろうとも、その状況から彼を救い出すことは不可能だ」と指摘した。

記者が、ロシアはこのウクライナとの戦争に勝つ可能性があるか、と尋ねると、ペトレイアス氏は、どうしたらそれが可能になるのか分からないと述べ、「彼らは勝てない。彼は、現在何も行うことができないのだ」と発言した。

さらに同氏は、プーチンは「戦場で負け続けていく」と述べ、同氏が欧州を相手に行っている「エネルギー戦争」も彼が望んだ結果はもたらさないと指摘した。同氏は、「欧州は、困難な冬となるだろう。天然ガスの供給は著しく削減される。しかし、彼らはそれを乗り切るだろうし、私は、彼らがウクライナへの支援を減少させることはないと思っている」と発言した。

また同氏は、プーチン氏とロシアにとって、状況はさらに悪くなる可能性があるとし、「たとえ戦術核兵器を戦場で使ったところで、それはちっとも変えられない」と強調した。

同氏は、プーチン氏が核兵器を対ウクライナ戦争で使った場合、米国からの非常に協力な対応を呼び起こすことになるとの確信を示した。同氏は、「それが対応なく放置されることはあり得ない。それは、対応が核の使用となることは意味しない。誰にも核のエスカレーションは必要ない。しかし、私たちは、それが絶対に受け入れられないことであることは示さなければならない」と発言した。

その上で同氏は、ロシアが核兵器を使った場合、米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は、「私たちがウクライナ、2014年にロシアが占領したクリミア、黒海の艦隊で見ることができ、特定することのできる全てのロシアの通常戦力の壊滅」となる可能性があると発言した。