ロシア軍、ウクライナ東部アウジーウカの市場を砲撃 住民7名死亡、8名負傷=各地被害
ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は12日朝、ウクライナ東部ドネツィク州アウジーウカの市場を砲撃し、結果住民7名が死亡、8名が負傷した。
ティモシェンコ宇大統領府副長官がテレグラム・チャンネルで報告した。
ティモシェンコ氏は、「今朝、ロシアの戦闘員は、アウジーウカの市場を砲撃した。暫定情報では、7名が死亡、8名が負傷した。ロシア軍は、より多くの血、より多くの死、より多くの破壊を必要としている。それは、民間人狩りだ。犯罪国家だ。文明社会の中に存在してはならないテロリストたちであり、彼らは止めなばならない」と強調した。
また、ティモシェンコ氏は、各地州軍行政府の情報をもとに、11日にウクライナ全土におけるロシア軍の攻撃で死亡した民間人は14名、負傷者は34名だと発表した。
地域別の犠牲者数は以下のとおり。
ヴィンニツャ州(中部):負傷者6名
ドニプロペトロウシク州(南部):負傷者3名
ドネツィク州(東部):死者6名、負傷者17名
ザポリッジャ州(南部):死者8名、負傷者7名
リヴィウ州(西部):負傷者1名
また、各地州軍行政府の12日9時時点の情報をもとにした各地被害の報告書の概要以下のとおり。
ザポリッジャ州(南部):ロシア軍は再びザポリッジャ市と近郊をS-300のミサイル7弾で攻撃。2弾が市内地区の1つに着弾。破壊情報は確認駐。5弾は近郊に着弾。内3弾は、ザポリッジャ近郊の村に着弾し、民家が1部破壊された。瓦礫の下から6名の人を救出。残り2弾は草原に着弾。
スーミ州(北部):11日、ロシア軍は13回(ロシア領からの)越境砲撃実施。12日は朝から、セレディノ=ブダ共同体、ミロピッリャ共同体が砲撃を受けた。
スーミ州とチェルニヒウ州の砲撃被害 写真:国境警備庁
ドニプロペトロウシク州(南部):ロシア軍は、夜間中ニコポリ地区を「グラート」と榴弾砲で砲撃。ニコポリでは、3名が負傷(1名は6歳の児童)。皆が重傷で、病院に搬送された。市内では、30軒以上の集合住宅・民家が損傷、また幼稚園2軒、学校、企業2軒、店、送ガス管、電線も損傷した。
ニコポリ市の砲撃被害 写真:レズニチェンコ・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官
ハルキウ州(東部):11日、ロシア軍は、衝突ライン近くと国境近くのクプヤンシク地区、ハルキウ地区、チュフイウ地区のストリレチャ、クラスネ、オヒルツェヴェ、ヴォウチャンシキ・フトリ、スタリツャ、ドヴィリチュナ、ドヴィリチュネを砲撃。犠牲者なし。解放された地域では、地雷除去とインフラ復旧が続いている。
ドネツィク州(東部):ロシア軍は12日未明、マルインカ、クラスノホリウカ、ノヴォミハイリウカを砲撃、バフムートを2回空爆。朝から、アウジーウカを戦車で攻撃開始。集合住宅への着弾あり。旧市街に被害。またアウジーウカには多連装ロケットシステム「グラート」による砲撃あり。民間人死傷者が出ている。砲撃は継続。解放されたスヴャトヒルシクでは、年金基金と社会保護による住民受付が始まった。パン屋が営業再開。
ミコライウ州(南部):12日未明、ミコライウ近郊への砲撃あり。犠牲者なし、破壊は確認駐。クツルブ共同体(15軒以上の民家破壊)、シローケ共同体への砲撃あり。ミコライウ州へは、自爆型無人機「シャヘド136」9機を撃墜。11日、同州上空では、ミサイル「カリブル」、Kh-101、無人機を計8点撃墜した。
ヘルソン州(南部):戦闘継続。敵は、ウクライナ軍の反攻を抑えるべく、衝突ライン全域で陣地を砲撃。ウクライナ軍は、ベリスラウ地区のノヴォヴァシリウカ、ノヴォフリホリウカ、ノヴァ・カムヤンカ、トリフォニウカ、チェルヴォネの5つの自治体を解放した。
その他の地域は相対的に平穏だった。