米国はウクライナにロシアの弱点を利用する機会があると見ている=米紙

米ニューヨークタイムズ紙は、今後6週間で、ウクライナ軍は、東部ドンバス地方で前進し、南部でヘルソン市を奪還する可能性があるとする米政府関係者の発言を報じた。

20日、ニューヨクタイムズ紙が特集記事を掲載した

同紙は、関係者はロシア軍が9月同様にウクライナに領土を大幅に解放される可能性はあるが、同時に広範な潰走となる可能性はほとんどないと見ていると伝えた。彼らは、おそらく戦闘はあと数か月続くと見ているという。また、戦争の流れを変え得る変数の中には、12月の困難な条件、プーチン露大統領のエスカレーションへの準備程度、エネルギー価格が高騰する中での欧州の結束維持、11月の中間選挙後の米国の政治状況の潜在的な変化があげられている。

米政府高官たちは、ウクライナは今後数週間で自らの優位を利用し続けるべきだと内々に語っている。

彼らは、ウクライナの進軍は間もなくヘルソン市のロシア軍をドニプロ川の向こうまで追いやるだろうと考えているという。ロシア軍司令部はすでに退却を勧めているが、プーチン氏個人が今のところ同意していないのだという。

また、記事では、いくつかの政府高官の話として、ウクライナ軍が東部ルハンシク州にて進軍する準備があり、そこでは、もしかしたらロシア軍を包囲したり、防衛ラインを突破したり、ロシア軍が兵站に用いている重要幹線のコントロールを奪還したりすることができるかもしれないと指摘されている。

加えて、ロシア軍は、現在の全面的侵攻の初期に抱えていたのと類似の兵站面の問題を今も抱えていることが指摘されている。ロシア軍は部隊間のやりとりは困難なままであり、それによって上級士官を前線に近い地点に配置せざるを得なくなっており、協調的な移動ができていないのだという。また現在戦場に投入されている動員兵は、十分に訓練できておらず、装備も貧弱だという。

他方で、米政府高官や軍事専門家たちは、ロシアは速度を失ったものの、まだ戦争には負けていないと考えており、ロシア軍はまだ大規模な砲撃作戦を行ったり、動員により戦力を補充したりすることができると指摘している。