ロシア軍、ヘルソン市を砲撃 負傷者あり 残る市民は約8万人

ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は、11月に占領から解放されたウクライナ南部ヘルソンの民間インフラを砲撃した。

21日、ソボレウシキー・ヘルソン州議会第一副議長がフェイスブック・アカウントにて伝えた

ソボレウシキー氏は、「ヘルソンでまた飛来だ。また民間インフラだ」と書き込み、民間人が負傷し、治療を受けていると伝えた。

また同日、フラン・ヘルソン州議会議員は、メディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムでの記者会見時に、ロシア軍はすでに3日間連続でヘルソン市を砲撃していると報告した。

フラン氏は、「確かに、占領者がヘルソン市とヘルソン州のドニプロ川右岸の脱占領された自治体に対する砲撃を始めてからすでに3日目だ。占領者はヘルソン市や沿岸に位置する村々を砲撃している。占領者はめちゃくちゃな砲撃を行っている」と伝えた。

加えて同氏は、ロシア軍は民間インフラや住宅に対して砲撃を行っているとし、そのような砲撃はロシア軍によるいわゆる「避難」についての「アドバイス」を聞かずに、ウクライナ軍の解放を待ち続けた住民に対する復讐なのだろうと指摘した。さらに同氏は、21日未明のヘルソン市内小地区オストリウの住宅への着弾が報告されたと伝え、概して同州右岸への砲撃の激しさが増していると発言した。

また同氏は、ヘルソン市民に対して、安全の観点、生活の観点から、可能であれば同市から避難するよう勧告されているとしつつ、同時に同市の自分の住居から絶対に避難しないと述べている人もいると伝えた。同氏は、「彼らは、『私たちはここで占領を生き延びたのであるから、あらゆる困難を生き延びる』と述べている。そのため、大半の人がヘルソン市を去りたがっておらず、私たちは、これらの人々の生活を確保するために全くもってあらゆることをせねばならない」と発言した。

同時に同氏は、現在ヘルソン市に残っている住民の数は約8万人だと伝えた。

また同氏は、毎日、同市には、生活が戻ってきているとしつつ、他方で電力、水道、暖房はまだないと伝えた。また、国際慈善団体やウクライナ国内団体の活動により、発電機を含め、人道支援がヘルソン市に入ってきており、局地的に電力供給が確保できており、また携帯電話通信の復旧も行われ、さらにオデーサ市へのバス便も発表されたと伝えた。

なお、ウクライナ南部ヘルソン氏は3月初旬にロシア軍に占領されたが、11月11日にウクライナ軍によって解放された。11月14日には、ゼレンシキー宇大統領が同市を訪れ、国旗掲揚式典に参加していた。