「ロシア軍がウクライナ人の抵抗に歯が立たないことが判明した」=ウォレス英国防相

英国のウォレス国防相は22日、今年の総括において、ロシアによるウクライナへの侵攻が違法であり、いわれのないものであることと、ウクライナの人々の勇敢な抵抗に言及した。

英政府の公式サイトに声明が掲載された

ウォレス氏は、「今日、3日間で終わるはずだった作戦が300日目を迎えた。今年が終わりに近づく中、私は改めて、違法でいわれのないロシアの対ウクライナ侵攻とウクライナの人々の勇敢な抵抗を喚起したい」と発言した。

同氏はまた、2月24日の全面的侵攻から、ロシアは自らの戦略的目標を1つも達成できず、2月24日以降に作戦司令官を務めた者は1人もその職に残っておらず、ロシアは多くの将軍と指揮官を失ったと喚起した。

同氏は、ゲラシモフ参謀総長の解任の噂がまだ続いているとしつつ、それはプーチン氏がいわゆる「作戦」の失敗、多くの死者、社会に不満を呼び起こしている部分的動員の自らの責任を回避しようとし続けているからだと指摘した。

さらに同氏は、ロシア軍人が10万人以上死亡、負傷、あるいは離脱していると伝えた。また、4500台以上の装甲車、140機以上のヘリ・固定翼機、何百もの火砲の損失もロシア軍の能力の低下の原因だと指摘した。加えて同氏は、ロシア大体戦術軍(BTG)のコンセプトは、ロシアの軍事ドクトリンの誇りであったが、それはウクライナ人の抵抗の前に歯が立たないことが判明したとも発言した。

その他同氏は、ロシア軍の陸上部隊の能力は50%以下低下しているとし、空軍は3月には1日300回ミッションをこなしていたが、現在では1日数十回に減っていると指摘した。さらに、ロシアが誇る黒海艦隊は、今では普通の沿岸防衛の船団と大差がなくなっていると形容した。

同氏は、クレムリンに雇われている傭兵たちにいても、大したことはないとし、ルハンシク州の民間傭兵企業「ワグナー(ヴァグネル)」の本部では最近の爆発で数百人が死亡したと伝えた。

また同氏は、英国が科しているものを含めた、国際制裁がロシアの防衛産業にダメージを与えているとし、ロシアはSS-26「イスカンデル」の弾道ミサイルの大半を失ったと伝えた。そして、同氏は、プーチン氏が、新兵と機材を集めることに失敗することで戦場で敗北していると指摘した。

加えて、同氏は、ロシアは3月の侵攻のピークの時点でウクライナ領の27%を占領していたが、それからウクライナが奪われた領土の約54%を奪還したとし、現在ロシアは国際的に認められているウクライナ領の約18%を支配していると説明した。