ロシア軍は優先的に防衛する方面を決めかねている=英国防省

英国防省は13日、ロシア軍はウクライナ軍の攻勢がウクライナ南部ザポリッジャ州と東部ルハンシク州のいずれの防衛を優先するかを決めることができずにいると指摘した。

英国防省が情報機関の報告をツイッター・アカウントに掲載した

報告には、2月7日時点のオープンソースの画像から、ロシアがウクライナ南部ザポリッジャ州中央部、特にタラシウカ村近くにて、防衛拠点を追加的に強化しているのがわかっていると書かれている。さらに、2月8日には、ロシアはザポリッジャ州のヴァシリウカとオリヒウの間に防衛拠点を設置したという。

その上で英国防省は、現在のロシアの作戦上の焦点は東部ドンバス地方中央部に向けられているにもかかわらず、同国は、以前同様、伸び切っている前線の重要地点の防衛を懸念していると指摘している。同省は、ザポリッジャ州とルハンシク州の継続する防衛地点強化、人員の投入がそのことを示していると伝えた。

現在、ウクライナにおえるロシアの前線は約1288キロメートルとなっており、占領するザポリッジャ州ではそれは192キロメートルとなっているという。

その上で同省は、「ザポリッジャ州でウクライナ軍が突破すれば、ロシアの露ロストフ州とクリミアを結んでいる『陸の回廊』の存続が危ぶまれることになる。ウクライナがルハンシク州で成功すれば、ロシアの公言するドンバス地方の『解放』という目的はさられに損なわれることになる。どちらの脅威に抵抗の優先度を与えるかを決めることが、ロシアの作戦計画立案者にとっての主要なジレンマの1つとなっているようだ」と指摘した。

写真:ウクライナ軍参謀本部