ウクライナはクリミアを今年奪還するかもしれない=ウォレス英国防相

英国のウォレス国防相は、2023年中にウクライナが占領されているクリミアを奪還する可能性はあるとの見方を示した。

ウォレス英国防相が米ワシントンポスト紙へのインタビュー時に発言した

記事には、「他の一部のNATO高官の私的な考えと違い、ウォレス氏は、ロシアが必要な装備を使い果たした今年、2014年にプーチンが違法に併合したクリミア半島をウクライナが奪還する現実的可能性があると発言した」と書かれている。

ワシントンポストは、「戦場でのウクライナの現在の努力につき、米国の情報帰還代表者よりも、楽観的な視点を表明した」と形容した。米国の情報機関は、ウクライナの戦場での成功は控え目なものになると予想している。

ウォレス氏は、「私たちが戦場で見ていることは、もしロシア軍が間違った場所で攻撃されたら、彼らは実質的に崩壊するということだ。彼らが行っているように、あなたは若者を何万人と死に送ることはできるが、しかし、あなたは必要な戦車や装備システムを魔法で生み出すことはできない」と指摘した。

その他同氏は、ウクライナのNATO加盟の展望に関する質問に対して、ウクライナの加盟に向けた道に関する恒常的な見解相違を指摘した。同氏は、NATOは、EU同様、ウクライナのような候補国に過度の約束をすることで、過去の過ちを繰り返すべきではないと発言した。

同氏は、「私たちは現実主義者となり、『それはビルニュスでは生じない。それは近々生じるものではない』と言わねばならない」と述べ、7月のビルニュスNATO首脳会議にてウクライナが期待していることが生じないことを示唆した。

同時に同氏は、「将来、ロシアや他の国の侵攻の代償が非常に高くなるようにすべく」、複数の国がウクライナとの間で二国間あるいは多国間の「相互防衛協約」を締結し、ウクライナの軍事能力の長期建設計画にコミットする準備があると指摘した。

さらに同氏は、西側諸国はこれまで同様、ウクライナを武器や資金の供与で支援していくとし、ウクライナに対してロシアと協議を行うことや譲歩をするように圧力をかけることはしないと発言した。

同時に同氏は、「しかし、私たちは、皆のところで無料で供与可能な防衛品が尽きつつあるという現実を目にしている」と述べ、英国やその他の国は、自国の装備品から提供するのではなく、装備品を購入せざるを得なくなっていると指摘した。

同氏は、プーチンはまだ、より多くの部隊を送り込めば、勝利が可能だと信じているとしつつ、同時に、プーチンは戦闘に関する正確な情報を得ていないかもしれず、「自国の軍事的挑戦の規模につき、崩壊の瞬間、あるいは国内の挑戦が生じるまで認識しないかもしれない」と指摘した。

また同氏は、そうなれば、「NATOと西側は、起き得るあらゆることへの準備をしておくべきだ」と発言した。