ロシア軍、ウクライナを再びミサイルと自爆型無人機で大規模攻撃 南部で被害
ウクライナへの侵略戦争を続けるロシア軍は、19日未明に再びミサイルと自爆型無人機での攻撃を行った。南部のオデーサ市では、爆発音が複数回聞かれた。
公共放送局「ススピーリネ」オデーサ支局は、テレグラム・チャンネルにて、オデーサにて同日1時4分から4時24分まで計10回、爆発音が聞こえたと伝えた。
キペル・オデーサ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、オデーサ州で主な標的となったのは港湾インフラと重要インフラだったと伝えた。
キペル氏は、ミサイル「Kh59」は沿岸に到達する前に撃墜されたが、破片がオデーサしない住宅に落下し、大きな穴ができ、爆風で近隣建物が複数損傷、民間人3名が負傷したと伝えた。さらに、巡航ミサイル「オニクス」と「Kh22」は、港湾・重要インフラに向けて発射されたもので、穀物ターミナル、油ターミナルに着弾し、タンクや積荷用設備が損傷、火災が発生したという。関係当局が現在被害の除去のために活動していると伝えた。
さらに、オデーサ地区では産業施設に着弾があり、民間職員が負傷、さらにタバコと花火の倉庫2軒が攻撃され、3000平方メートル以上の火災が発生したと報告された。
オデーサ州ではまた、無人機「シャヘド136」8機が撃墜され、戦闘と落下した破片の結果、観光施設と沿岸地区のホテルが損傷、2名の民間人が負傷したという。
またミサイルと無人機の撃墜の際の爆風で、オデーサ市内の居住地区で複数の集合住宅が損傷し、少なくとも6名のオデーサ市民(9歳の児童1名含む)がガラスなどで傷を負い、治療を求めたと報告された
南部ヘルソン州のプロクジン州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、ヘルソン市が無人機の攻撃を受け、建物が損傷し、救助隊員が89歳の女性を瓦礫の下から救助したと報告した。
南部キロヴォフラード州のライコヴィチ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、同州が大規模なミサイル攻撃を受けたと伝えた。
ライコヴィチ氏は、「キロヴォフラード州は、近隣州同様、大規模なミサイル攻撃を受けた。敵は、クロピウニツィキー市近隣を攻撃した」と伝えた。同時に同氏は、暫定情報では、犠牲者や民間施設の破壊は出ていないと報告した。
キーウ市軍行政府は、テレグラム・チャンネルにて、ウクライナの防空部隊はキーウ方面へ飛来した自爆型無人機を全機撃墜したと報告した。
ポプコ市軍行政府長官は、「ウクライナ全土にとって空爆の苦しい夜だった。南部、オデーサ州が特にそうだ。しかし、キーウについても敵は忘れなかった。シャヘドによって首都は再び攻撃された。結果は失敗だ」と伝え、犠牲者、破壊ともに出ていないと補足した。
ウクライナ空軍は、テレグラム・チャンネルにて、同日未明、ウクライナ防衛戦力は敵が放ったミサイルと無人機を計37点撃墜したと報告した。
発表には、「2023年7月19日未明、ロシア占領軍は、南方から空中発射型、地上発射型、海上発射型の巡航ミサイル、並びにイラン製攻撃型無人機『シャヘド136/131』を用いてウクライナを攻撃した」と書かれている。
重要インフラと軍事施設が狙われ、特にオデーサ州が標的となったという。
攻撃は波状型に行われたとし、その際敵は発射したミサイルと無人機は以下のとおり。
・海上発射型巡航ミサイル「カリブル」16弾(黒海海上から発射)
・巡航ミサイル「Kh22」8弾(黒海から中距離爆撃機Tu22M3により発射)
・巡航ミサイル「オニクス」6弾(クリミアの沿岸ミサイルシステム「バスチオン」から発射)
・ミサイル「Kh59」1弾(黒海から戦闘機Su35により発射)
・自爆型無人機「シャヘド136/131」32機(クリミアのチャウダ訓練場と露ロストフ州プリモルスコ・アフタルスクから発射)
これに対して、ウクライナ空軍の防空部隊は、その他ウクライナ軍の防空戦力と共に、以下の標的計37点を撃墜した書かれている。
・「カリブル」13弾
・「Kh59」1弾
・「シャヘド136/131」23機