ウクライナ空軍、ロシア軍使用のミサイル「オニクス」が撃墜困難な理由を説明
ウクライナ空軍司令部のイフナト報道官は20日、ロシア軍がウクライナ南部攻撃にて使用している巡航ミサイル「オニクス」につき、同ミサイルは高速かつ低空で飛来するため、ウクライナの保有する防空システムでは撃墜が困難だと発言した。
イフナト報道官がテレビ番組「統一ニュース」出演時に発言した。
イフナト氏は、「ミサイル『オニクス』は船舶の破壊を目的としたもので、マッハ2.6の速度で飛翔する。それは時速3000キロ強であり、つまり、高速である。ミサイルは飛行中燃料節約のために高く上昇することができ、標的に突入する際には、船を破壊するために、実質的に水面から10〜15メートルを飛ぶことができる」と説明した。
その上で同氏は、現在ウクライナにある防空システムで高速で低空を飛行する「オニクス」を撃墜することはまず不可能だと指摘した。
また同氏は、「Kh22もオニクスも、私たちはそのミサイルの飛行を見ており、全てが標的まで飛来するわけではない。それでも一部は到達し、私たちは被害を見ている。港湾施設や住宅に当たっている」と発言した。
その他同氏は、ロシアによるミサイル製造については、ロシアは異なる型のミサイルを数100弾予備で保有しながら、同時にそれらの製造も続けていると伝えた。
同氏は、「Kh555は、彼らはもう製造していないのが明らかだ。しかし、敵はKh101は製造している。それはロシアが保有する中で新型のミサイルの1つだ。はっきりしていることは、それらの製造が続いているということだ。もしかしたら、何らかの制裁で難しくなったかもしれないが、しかし、情報総局や参謀総局の公開情報では、空中発射型ミサイルKh101を敵は製造し続けている」と発言した。
その際同氏は、「敵は毎月高精度長距離のものを月に約100弾製造している。さらに、Kh22のような古いソ連製のミサイルもある。それらは製造されていない。約250弾あった。彼らはすでに約150弾を私たちの国に放った。もう一度喚起するが、これらのミサイルは弾道軌道で飛行するため、いずれも撃墜することが不可能である」と発言した。
また同氏は、ロシアがクリミアから発射しているミサイル「オニクス」は、旧式のものだが、もしかしたら近代化され改善されているかもしれないと指摘した。
これに先立ち、過去数日、ロシア軍はウクライナ南部を中心にミサイルや自爆型無人機で攻撃していた。ウクライナ空軍は、巡航ミサイル「オニクス」の発射を伝えつつも、同ミサイルの撃墜は報告していなかった。