ウクライナ軍、南部でのドニプロ川左岸での進軍を認めず

ウクライナのマリャル国防次官は、同国の軍も参謀本部も南部ヘルソン州にてウクライナ防衛戦力がドニプロ川左岸に渡河し、進軍したとする情報を認めていないと発言した。

マリャル国防次官がテレビ番組「統一ニュース」出演時に発言した。

マリャル氏は、「軍も参謀本部も、現時点で同情報を認めていないし、私たちは、皆に対して改めて、公式情報源のみを信じるようお願いし、呼びかける。重要なのは、戦鬪圏に関係するどのような情報も、単なる情報でもなければ、単なるニュースでもなく、戦闘の流れに影響を与え得るものであるということを理解することだ。よって、参謀本部と国防省が提示するものは全て、私たちの戦闘遂行にとって安全な情報である」と発言した。

同氏はまた、現在全世界の注意がウクライナにおける出来事に向いており、そのため多くの情報が拡散されているが、しかし、ウクライナの軍幹部が認めている情報を何より参照すべきであると指摘した。

さらに同氏は、今回のウクライナ軍がドニプロ川左岸に渡河したとする情報を最初に拡散したのはロシア人だと述べ、「それからその情報は広まり始めたのだ。(中略)しかし、現時点で、参謀本部はそれを認めていない。参謀本部が認めたらすぐに私たちは必ずそれを伝える」と発言した。

同時に同氏は、情報総局が前日に伝えていたドニプロ川左岸の個別作戦については、確かに実施されたものだと認めた。

これに先立ち、米国の戦争研究所(ISW)が、ウクライナ軍がヘルソン州にて、ドニプロ川の向こう岸に襲撃と渡河を行った可能性があると報告していた。ISW報告書では、現時点ではウクライナ軍がドニプロ川左岸で領土を確保できたかは不明だと書かれている。ロシアの軍事ブロガーは8日、ウクライナ側が6、7人を載せた最大7隻のボートをドニプロ川左岸のコザチ・タボリに上陸させ、ロシア軍の防衛を突破して、800メートル前進したと伝えていた。