EUはウクライナの勝利に必要な全てのものを供与すべき=リトアニア外相

リトアニアのランズベルギス外相は8月31日、欧州連合(EU)は、「必要な限りずっとウクライナとともにある」という表現を止めて、必要な武器の供与をはじめ、ウクライナが現在の戦争で勝利するためにより多くの努力を行うべきだと発言した。

ランズベルギス外相がスペイン・トレドにおけるEU加盟国外相非公式会合の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ランズベルギス外相は、ウクライナの勝利のためにEUはさらに何をし得るか、との質問に答える形で、「何よりも戦場での(不十分な)成果に文句を言うのを止めて、必要なものを全て供与すべきである。もし彼らが、長射程ミサイルが必要だと言うならば、私たちはそのようなミサイルを供与すべきだ。もし彼らが、より多くの装甲車が必要だと言うならばそのような車両を供与すべきだ。勝利とは困難なプロセスであり、多くの段階、作戦を含み、空や海を含む多くの空間で展開する。私たちは、私たちの送れる物は送らねばならない」と発言した。

同氏は、戦場での戦略的突破がウクライナの勝利を決める可能性を指摘し、現在の戦争では戦術的突破が戦略的結果を帯びる可能性があると補足した。同氏は、例えば、ウクライナ軍がアゾフ海へと突破し、ロシア軍の補給線に対するコントロールを確立したら、それは目標達成だとの見方を示した。

また同氏は、「問題は、ロシア人が(中略)塹壕を掘り、障害物ラインを作るだけの十分な時間を得てしまったことだ。3本の防衛戦が引かれてしまった。ウクライナ人は、1本目を突破しているところだが、まだ2本あり、それによって私たちの側からは多くのコミットメントが必要となっている。いくつかの国は、疲労困憊を感じているかもしれないし、それはわかることだ。しかし、私たちは、ウクライナを勝利まで支持しないことが、私たちにとってどれほどの代償となるかを明確に理解せねばならない。その時は、私たちは、プーチンを待ち受けることになるのだ」と発言した。

さらに同氏は、EUはレトリックを変えて、「必要な限りずっとウクライナとともにある」という表現を止めるべきだと主張した。

その際同氏は、「私は、そのフレーズではもはや十分ではないと思っている。私たちは、私たちの目的が何なのかについて、オープンであるべきだ。私たちは、『ウクライナの勝利までウクライナと一緒にいなければならない』ということを、非常に明確に定めなければならない。なぜなら、私たちがそれを話さなければ、私たちは別のオプションを考えていることになる。唯一のそれ(編集注:別のオプション)は、プーチンの勝利である」と指摘し、そのような戦争の展開は、欧州にとっての惨劇を意味すると補足した。

同氏は、「それは、惨劇となり得るものだ…。私たちの国だけでなく、他の国や、ロシアが海を支配し得る黒海地域にとってもだ。それは、世界中にとって新しい現実となり得る。よって、私たちは、ウクライナが勝利するように計画を立てるべきで、ウクライナが勝利の達成のために必要とする物全てを提供すべきである。ウクライナ人が自らの自由と私たちの安全のために戦っている時に、私たちのサポートを感じるように」と強調した。

なお、8月31日、トレドでは、EU加盟国外相による非公式会合(ジムニッチミーティング)が開催されていた。主要な議題は、ウクライナ情勢とアフリカのサヘル地域の情勢だった。