元米CIA長官、ウクライナ軍の反転攻勢にて成果の連鎖反応を期待
ペトレイアス米中央情報局(CIA)元長官(2011〜2012年)は、ウクライナ軍は戦場で成果を蓄積させており、それが連鎖反応を引き起こす可能性を指摘した。
ペトレイアスCIA元長官がキーウ安全保障フォーラムのイベントの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ペトレイアス氏は、前線の状況は第二次世界大戦とは似ても似つかないと述べ、ロシア軍は知識の点でも行動の点でも特に印象深いものはないが、他方で、防衛システムは極めて優れたものを作り出しており、それを克服するのがかなり困難となっていると指摘した。
同時に同氏は、ウクライナ軍は、広大な地雷原、塹壕、対戦車溝、恒常的な敵の砲撃のある中で、戦闘遂行への驚くべき適応能力を示していると強調した。
また同氏は、ウクライナ軍は極めて広範な前線にてロシア軍を抑えており、同時にロシア軍の倉庫、航空基地、クリミアの海洋基地、兵站を攻撃しながら、成功を重ねるための条件を生み出していると指摘した。
さらに同氏は、ウクライナ軍は西側の火砲システムを使うことでより遠くのロシア軍陣地を攻撃可能となっているとし、「前線が伸びることで、ロシア軍の能力は低下している。戦場に条件が生まれているのである。機会が生じたら、ウクライナ軍は予備兵力で攻撃するかもしれない」と発言した。
また同氏は、ウクライナ南部ロボティネでのウクライナ軍の成功を強調し、またザポリッジャ方面とドネツィク方面の重要性を指摘した。そして同氏は、「それらは全て積み重なっている。ロシア軍が崩れ始めた時には、ウクライナ人が補給線を断ち、クリミアを切り離すために、それをどのように利用するかが大切だ。理想的には、ケルチ橋を破壊するのが良い。そして、橋が破壊されたら、ロシア軍は破滅的状況に陥ることになる」と指摘した。
その他同氏は、ウクライナの防空戦力の活動を高く評価した。同氏は、「ウクライナは極めて優れた防空を保有しており、そのため、ロシア軍が空で成功を収めることは難しく、彼らは航空戦力を効果的に利用できていない」と指摘し、また「私は、ウクライナ軍の進展は続いていくと思うし、やがてそれは持続可能なものとなり、それを戦場で目にすることになると思う」と発言した。
同時に同氏は、ロシア軍は昨冬の攻勢時、唯一の成果は、自軍の兵2万5000人の命と引き換えにバフムートを壊滅させたことだけだったと指摘した。
写真:キーウ安全保障フォーラム