「30〜45日で前線の状況は根本的に変化するだろう」=ウクライナ専門家

ウクライナの軍事専門家パウロ・ナロジュニー氏は、ロシア軍が半年かけて設置した、多数の地雷の設置されているいわゆる「スロヴィキンライン」と呼ばれるロシアの防衛線をウクライナ軍が突破したら、前線の状況はウクライナに有利な形に根本的に変化するだろうとの見方を示した。

11日、ナロジュニー氏が公共ラジオ「ウクライナ・ラジオ」出演時に発言した

ナロジュニー氏は、「その防衛線(編集注:スロヴィキンライン)は、突破される。それは時間の問題に過ぎない。私は、2、3週間以内とは言わない。評価ではおよそ1か月だ。それは生じる」と発言した。

同氏はまた、ロシア軍は兵站が完全に乱されており、火砲、弾薬の補給、人員の交代に大きな問題が生じていると指摘した。

そして同氏は、「スロヴィキンラインの突破後は、物事は全く別のように進んでいくだろう。機動部隊が活動し出し、ステップを大きな速度で前進していき、後方や側面を攻撃していく。前線の状況は、1か月から1か月半で根本的に変わるだろう」と予想した。

同時に同氏は、雨季が始まって以降は、大型の攻勢を期待するべきではないとも発言した。

同氏は、「攻勢がどのように進んでいるかを理解しなければならない。最初に火砲が活動する。火砲こそが拠点と兵力を破壊する。火砲の活動のためには、『ツェザル』や『ボフダナ』といった50%以上の牽引される榴弾砲と車輪の自走砲が必要だ。そのような兵器は、不整地は走れない。あの『ハイマース』ですら、泥は走れない。火砲の使用が非常に困難となる。火砲によって陣地が破壊されなければ、そこへの歩兵の進入は、自殺と同義である。歩兵は、火砲の活動の後に入っていくのだ」と説明した。

写真:参謀本部