ロシアはアウジーウカ周辺の自軍進軍に関する期待を下げようとしている可能性あり=米戦争研究所
米国の戦争研究所(ISW)は16日、プーチン露大統領やロシア軍がウクライナ東部アウジーウカに関して、同軍の進軍に関する期待を下げるような変化が見られると指摘した。
戦争研究所が報告書を公開した。
報告には、「プーチン大統領は、ドネツィク州アウジーウカ周辺のロシア軍の著しい進軍に関する期待を下げようとしているのかもしれない」と書かれている。
その際戦争研究所は、プーチン露大統領が露国営テレビへのインタビューが、ロシア軍がアウジーウカ方面、クプヤンシク方面、ザポリッジャ方面で「積極的な防衛」を行っていると発言したことを指摘した。これは10月13日にネベンジャ・ロシア国連常駐代表が「積極的な戦闘作戦」と形容したのと異なるとし、これはロシア国民の間のロシア軍の大きな成功への期待を緩和する試みかもしれないと書かれている。
報告書には、主に集中的な砲撃と空爆からなるロシアの軍事作戦は、アウジーウカ周辺のウクライナ軍の状況を弱体化させることを目的としていると指摘されている。同時にロシア軍が現地のウクライナ軍を著しく突破したり、遮断したりする可能性は低く、そのためにはロシア軍は長期にわたり多くの人員・物資の投入が必要だと指摘されている。
またISWは、ロシアの情報空間もまた、アウジーウカ周辺のロシア軍の攻勢の展望に関する当初の楽観的な予想を現在は抑えていると伝えている。
さらに、ISWは、ロシア軍は10月15日もアウジーウカ包囲を目的とした攻勢作戦を継続したが、同地のロシア軍の作戦の速度が低下したからか、さらなる成功は達成しなかったと伝えた。
写真:国家警察