ロシアの新たな攻勢の可能性は残っている=米ホワイトハウス

カービー米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)戦略広報調整官は26日、ロシア軍はウクライナ東部アウジーウカ近郊での攻勢で兵力・兵器ともに多くの損失を出しており、ロシア軍の士気は低いものの、今後同軍がさらに攻勢をかける可能性は残っていると指摘した。

カービーNSC戦略広報調整官がワシントンでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

カービー氏は、「ウクライナ側はその攻勢時に耐え抜き、防衛を維持し、アウジーウカを攻めていたロシアの戦車車列を見事に撃退した」と発言した。

同氏はまた、10月11日からの期間、ロシア軍はアウジーウカ近郊での攻勢の試みで著しい損耗を出してきたとし、数千人の兵力、少なくとも125の装甲車両、1大隊以上の機材を失ったと伝えた。

そして同氏は、「私たちはロシアからの新たな攻勢を予期している。これはダイナミックな紛争であり、私たちは、ロシアが今も一定の攻勢能力を維持していることを覚えておかねばならず、今後数か月に一定の戦術的戦果を達成する可能性は排除されていない」と発言した。

その点で同氏は、ロシアの司令部は結果のためなら兵員の命を惜しむことはないと強調した。さらに同氏は、「私たちには、ロシア軍人が命令履行を拒否した兵士を実質的に処刑したという情報がある。また私たちは、ロシアの司令部が部隊に対して、彼らがウクライナの火砲を受けて退却しようしたら、部隊全体を銃殺すると脅したという情報も有している」と指摘した。

その他同氏は、ロシアの動員された兵力は十分に訓練を受けていないままで、装備も不十分で、戦闘に向けた準備ができていないままだと強調した。その点から、同氏は、ロシアは準備も装備もない兵力を戦争の地獄に投入するという「人海戦術」を利用していると述べ、「ロシア軍が士気の低さに苦しんでいるのはおかしなことではない」と補足した。

その上で同氏は、ロシアが残虐な攻撃を続ける中で、米国は引き続きウクライナの人々と同国の防衛能力を今後も支えねばならないと発言した。そして同氏は、米国の議員が活発に仕事をし、バイデン米大統領が先週議会に提出した追加要請を採択することの重要性を強調した。